【決算分析】米ブロードコム、第3四半期のAI半導体売上高が前年比3倍超の167億ドル―2027年度目標を既に突破

2026年9月5日 00:04

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記事提供元:Tech Times

米ブロードコム(Broadcom)の2026年度第3四半期におけるAI半導体売上高は、前年同期比221%増の167億ドル(約2兆6052億円、1ドル=156円換算)に達した。カスタムAIアクセラレーターとAIネットワーク製品の需要が成長を支えた。

Hock Tan CEOは決算説明会で、2027年度のAI半導体売上高を約1150億ドル(約17兆9400億円)とする見通しに対し、実際の顧客需要はすでにそれを上回っていると説明した。同社は2028年度には売上高をさらに倍増させ、約2300億ドル(約35兆8800億円)にする道筋を示している。

■Anthropicが最大のXPU顧客になる見通し

Broadcomは現在、6社の顧客とカスタムAIアクセラレーター「XPU」の開発や供給に取り組んでいる。Tanによると、このうちAnthropicは2027年にBroadcom最大のXPU顧客となり、2028年もその地位を維持する見通しだ。

Broadcomは2026年にAnthropic向けとして、Googleの第7世代TPU「Ironwood」1ギガワット分の展開を進めている。続いて、2027年に次世代TPU「v8i」をさらに5ギガワット、2028年には追加で10ギガワット提供できる見通しを持つという。

Googleとの関係も引き続きBroadcomのAI事業の柱となる。同社はGoogleと、将来世代のTPUおよびAIネットワーク製品を開発・供給する長期契約を結んでおり、今後数年間にわたって年間数百億ドル規模のTPUを提供する計画だ。

第3四半期には、GoogleとAnthropicの双方にIronwoodを大量出荷するとともに、Google向けTPU v8iの量産出荷を開始した。Broadcomによると、v8iはIronwoodよりメモリ容量と帯域幅を増やし、推論処理に最適化している。

■OpenAIとMeta向けカスタムチップも拡大

Broadcomは第3四半期に、OpenAIと共同開発した第1世代カスタムアクセラレーター「Jalapeño」の出荷も開始した。2027年には1.3ギガワット分を展開する計画で、2028年には後継世代を含めて5ギガワットを超える可能性がある。

同社はOpenAIと第2世代XPUの開発を進めており、テープアウトが近づいているほか、第3世代の開発にも着手している。Tanは、OpenAIのワークロードにおいてJalapeñoがNvidiaのGrace Blackwell Ultraを性能効率などで上回ると説明した。これはBroadcomとOpenAIによる評価であり、幅広い用途を対象とした独立検証の結果ではない。

Meta向けでは、推論とレコメンデーション処理に最適化したカスタムアクセラレーター「MTIA」の量産出荷を第4四半期に開始する予定だ。Broadcomは2027年末までに3世代のMTIAを提供し、2028年までに合計3ギガワットを展開できると見込む。

こうした顧客別の共同設計は、幅広い用途に対応する汎用GPUとは異なる事業モデルである。特定の顧客が使用するAIモデルや処理特性に合わせ、演算、メモリ、データ転送などを最適化できる一方、開発から量産までには長期的な協力関係が必要になる。

■第3四半期売上高は86%増

2026年度第3四半期の連結売上高は、前年同期比86%増の295億9100万ドル(約4兆6162億円)だった。半導体ソリューション部門の売上高は127%増の208億3900万ドル(約3兆2509億円)、インフラストラクチャソフトウェア部門は29%増の87億5200万ドル(約1兆3653億円)となった。

非GAAPベースの営業利益は92%増の200億9500万ドル(約3兆1348億円)で、営業利益率は約68%に達した。非GAAPベースの希薄化後1株利益は96%増の3.32ドルだった。

営業活動によるキャッシュフローは141億9700万ドル、設備投資は5億3200万ドルとなった。フリーキャッシュフローは過去最高の136億6500万ドル(約2兆1317億円)で、売上高の46%に相当する。

期末の現金および現金同等物は240億ドル(約3兆7440億円)だった。同社は第3四半期に56億ドル(約8736億円)の長期債務を返済し、31億ドル(約4836億円)の現金配当を支払った。

■第4四半期のAI半導体売上高は217億ドルを予想

Broadcomは2026年度第4四半期について、連結売上高を前年同期比93%増の約348億ドル(約5兆4288億円)と予想している。非GAAPベースの営業利益率は約66%を見込む。

AI半導体売上高は前年同期比236%増の217億ドル(約3兆3852億円)になる見通しだ。XPUとAIネットワーク製品の売上高がともに前年同期の約3倍へ拡大すると予想している。

これにより、2026年度通期のAI半導体売上高は580億ドル(約9兆480億円)となる見込みだ。従来予想の560億ドルから上方修正され、前年からは186%増加する計算になる。

取締役会は1株当たり0.65ドルの四半期配当を承認した。2026年9月21日の取引終了時点の株主を対象に、9月30日に支払う。

■AI売上高を2027年度に1150億ドルへ

Broadcomは、2027年度にAI半導体売上高を約1150億ドルへ倍増させ、2028年度にはさらに約2300億ドルへ倍増させる見通しを示した。同社によると、両年度の見通しを達成するために必要な供給は確保している。

一方、2027年度については顧客需要が1150億ドルの見通しをすでに上回っている。Tanは、顧客はさらに多くの製品供給を求めているものの、供給能力に加え、製品を受け入れるデータセンターの用地や設備が予定通り整うかも考慮して見通しを策定したと説明した。

Broadcomが供給計画を立てるうえでは、最先端ウェハー、パッケージ基板、高帯域幅メモリ(HBM)などの確保が重要になる。AIアクセラレーターは演算チップだけで構成されるものではなく、大容量のデータを高速に供給するHBMや高度な実装技術、複数のアクセラレーターを結ぶネットワークを組み合わせて運用するためだ。

同社は2027年度から、シンガポールの工場でパッケージ基板の生産能力を利用する計画で、供給上の制約の一部を緩和できるとみている。2026年度第4四半期の設備投資は14億ドル(約2184億円)に増やし、半導体関連の生産能力へ投資する。

■AIネットワーク製品も2.5倍超に成長

BroadcomのAI事業には、カスタムアクセラレーターだけでなく、それらを接続するネットワーク半導体も含まれる。第3四半期のAIネットワーク売上高は前年同期の2.5倍を超えた。

数千、数万単位のアクセラレーターを一つのAIシステムとして動作させるには、チップ間やサーバー間で大量のデータを低遅延で転送する必要がある。Broadcomは、Tomahawkシリーズのイーサネットスイッチ、PCI Expressスイッチ、光通信用DSP、レーザーなどを提供している。

同社によると、第3四半期のXPU出荷量は前年同期の3.5倍を超え、AI半導体売上高の73%を占めた。今後数年間は、AIネットワーク製品の売上高もXPUと同程度のペースで成長すると見込んでいる。

■VMware事業にも企業向けAI需要

インフラストラクチャソフトウェア事業では、企業が自社管理の環境でAIを構築・運用するための「VMware Private AI Cloud」を発表した。AI基盤、セキュリティー、コンプライアンス、AIエージェントの開発・管理機能をVMware Cloud Foundation上で提供する構想だ。

Broadcomは、企業がデータ管理やインフラコストを重視してAI推論をプライベートクラウドで運用する動きが、ソフトウェア事業の新たな機会になるとみている。2026年度第4四半期のインフラストラクチャソフトウェア売上高は、前年同期比25%増の約87億ドルを予想する。

BroadcomのAI半導体事業は、Googleを中心としてきた従来の構造から、Anthropic、OpenAI、Metaを含む複数の大規模顧客へ広がりつつある。今後は強い需要を実際の売上高へ転換するため、半導体、メモリ、パッケージ基板の供給と、顧客側のデータセンター整備を計画通り進められるかが焦点になる。

元記事: Broadcom AI Revenue Tripled to $16.7B as Demand Outstrips Its Own $230B Roadmap

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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