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科研製薬、27年3月期1Q大幅増収増益、J&Jマイルストン収入で営業・経常黒字転換予想
科研製薬<4521>(東証プライム)の27年3月期第1四半期連結業績は大幅増収増益だった。Johnson & Johnson(以下、J&J社)とのライセンス契約に基づくマイルストン収入70百万米ドルを売上計上した。そして通期の大幅増収増益(営業・経常黒字転換)予想を据え置いた。
■医療用医薬品・医療機器メーカー
医薬品・医療機器、農業薬品などの薬業、および文京グリーンコート関連などの不動産事業を展開している。
主要な医薬品・医療機器は、爪白癬治療剤のクレナフィン群(クレナフィンおよびクレナフィンのオーソライズド・ジェネリック(AG))、関節機能改善剤のアルツ、癒着防止吸収性バリアのセプラフィルム、褥瘡・皮膚潰瘍治療剤のフィブラスト、原発性腋窩多汗症治療剤のエクロック、歯周組織再生剤のリグロス、腰椎椎間板ヘルニア治療剤のヘルニコア、およびジェネリック医薬品である。
M&Aでは21年12月に国内バイオベンチャー企業のアーサム・セラピューティクス社を子会社化、25年3月に米国Aadi社を子会社化した。Aadi社は希少疾病「局所進行した切除不能/転移性の悪性血管周囲類上皮細胞腫瘍」治療薬のFYARROを販売している。
■開発パイプライン
26年8月7日時点の開発パイプラインの状況として、自社創薬・導入品ではアタマジラミ症を適応症とするKAR(アーバー・ファーマシューティカルズ社、現アズリティ社から導入、一般名:イベルメクチン、海外製品名:Sklice)は、26年6月に製造販売承認申請を行った。また国内第3相試験結果を第125回日本皮膚科学会総会において発表した。
難治性脈管奇形を適応症とするKP-001(自社開発、一般名:セラベリシブリン酸塩水和物)は、26年5月に製造販売承認申請を行った。また26年7月に国内第3相試験結果を第22回日本血管腫血管奇形学会学術集会において発表した。米国では第3相段階(治験実施国は米国、カナダ、台湾、韓国)である。
原発性胆汁性胆管炎を適応症とするKC―8025(シーマベイ・セラピューティクス社、現ギリアド・サイエンシズ社から導入、一般名:セラデルパル)は国内第3相段階である。なお26年5月にはギリアド日本法人と、シーマベイ社との既存のライセンス契約に基づき、これまでの提携を拡大して日本における販売提携に関する契約を新たに締結した。
尋常性乾癬を適応症とするESK-001(次世代型経口選択的TYK2阻害剤、アルミス社から導入、25年3月に日本におけるライセンス契約締結、一般名:envudeucitinib)は、アルミス社が実施している日本を含む国際共同第3相試験において主要評価項目を達成した。26年8月にはアルミス社が第3相長期投与試験ONWARD3の結果速報を発表した。また汎発型膿疱性乾癬/乾癬性紅皮症を適応症として第3相段階である。
遺伝性血管性浮腫(HAE)の長期予防薬ナベニバルト(米アストリア社、現バイオクリスト社から導入、25年8月に日本におけるライセンス契約締結)は、アストリア社が日本を含む国際共同第3相試験を実施中である。
固形がん(がん免疫療法)を適応症とするKP-483(自社開発)は国内第1相段階で、26年6月に非臨床試験と国内第1相試験結果を米国臨床腫瘍学会(ASCO2026)において発表した。
末梢性神経障害性疼痛を適応症とするKP-910(自社開発)は第1相段階である。
次世代の経口2型炎症性疾患(アトピー性皮膚炎、喘息など)治療薬として開発中のSTAT6阻害剤(開発記号:KP―723)を含むSTAT6プログラムについては、24年12月にグローバルにおける開発・製造および商業化に関する独占的ライセンスをJ&J社に許諾するライセンス契約を締結した。日本国内では科研製薬が本プログラムで開発される製品の商業化に関する権利を保持し、第1相試験完了まで進める。
海外導出では、爪白癬治療剤クレナフィン(海外製品名Jublia)について欧州の導出先であるアルミラル社(スペイン)が25年3月にイタリアで製造販売承認取得、25年8月にドイツで製造販売承認取得(26年5月販売開始)したほか、AIM社が中国にて申請中である。原発性腋窩多汗症治療剤のエクロックについては韓国ドンファ社が25年8月に韓国で販売承認を取得し、26年1月に販売を開始した。
その他の開発状況として、遺伝性血管性浮腫(HAE)を適応症とするセベトラルスタット(一般名)については、25年4月にカルビスタ・ファーマシューティカルズ社と日本におけるライセンス契約を締結し、25年12月にライセンス元のカルビスタ・ファーマシューティカルズ社が、日本において遺伝性血管性浮腫の急性発作を効能・効果として製造販売承認(外国特例承認)を取得した。そして26年3月に科研製薬がエクテリーという製品名で販売を開始した。
軟骨欠損を伴う変形性膝関節症を適応症とする同種(他家)滑膜間葉系幹細胞由来三次元人工組織gMSC1(再生医療等製品、広島大学発のバイオベンチャー企業であるツーセル社から導入、25年6月に日本国内の整形外科領域における共同開発・独占的販売に関するライセンス契約締結)は第3相準備中である。ツーセル社が製造販売承認取得に向けた開発を実施する。
アトピー性皮膚炎を適応症とするNM26については、24年5月にJ&J社の関連会社であるスイスのシーラグ社と知的財産譲渡および販売提携オプション契約を締結し、J&J社が日本で承認取得するすべての適応症について販売提携契約を交渉するオプション権を有している。J&J社が臨床試験を実施しており第2相段階であったが、25年12月に第2相試験の中止を発表している。
三洋化成工業<4471>が開発した新規の創傷治癒療材料シルクエラスチン創傷用シート(医療機器)(24年10月に日本での販売に関するライセンス契約を締結)については、三洋化成工業が25年4月に薬事承認を取得した。26年6月には難治性創傷を含む創傷治療において保険適用され、発売準備中である。
また24年11月にスイスのニューマブ社と、炎症性腸疾患(IBD)を対象疾患とする新規多重特異性抗体医薬ND081に関する共同研究契約を締結した。そして25年11月にスイスのニューマブ社とIBDを対象疾患とする新規多重特異性抗体医薬NM81(旧開発コードND081)に関するライセンスおよび共同開発契約を締結した。これにより、24年11月に締結した共同研究契約に付随するオプション権に基づくアジアの特定の地域におけるNM81の販売権を取得した。科研製薬は臨床PoC取得までの開発費の大部分を負担し、ニューマブ社は非臨床および臨床開発の主要な実施主体となる。
26年5月には、ダイトが承継予定のプロスタグランジンE₁製剤2製品の日本における販売提携契約を締結した。ダイトによる2製品の製造販売承認の承継は26年11月中を目途に行われる予定であり、販売開始時期についてはダイトと協議して決定する。
■27年3月期大幅増益(営業・経常黒字転換)予想で1Q大幅増収増益
27年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比59.8%増の301億54百万円、営業利益が109億02百万円(前年同期は14百万円)、経常利益が112億58百万円(同4億17百万円)、親会社株主帰属四半期純利益が84億39百万円(同2億71百万円)となり、大幅増収増益だった。J&J社とのライセンス契約に基づくマイルストン収入70百万米ドルを売上計上し、全体を牽引した。研究開発費は14.6%減の45億99百万円だった。
薬業(医薬品・医療機器、農業薬品)は売上高が61.8%増の294億96百万円で、営業利益が105億26百万円(前年同期は3億24百万円の損失)だった。売上高の内訳は、医薬品・医療機器(国内・海外計)が62.8%増の277億96百万円、農業薬品が48.3%増の16億44百万円、その他が10.0%増の55百万円だった。また海外売上高(医薬品、農業薬品)は144億91百万円(同17億38百万円)だった。不動産事業(文京グリーンコート関連賃貸料など)は売上高が3.1%増の6億57百万円で、営業利益が11.2%増の3億76百万円だった。
国内主要医薬品・医療機器売上高(単体ベース)は、クレナフィン群が47.2%減の23億10百万円、アルツが2.3%減の45億08百万円、セプラフィルムが0.5%減の17億21百万円、エクロックが3.6%増の8億32百万円、フィブラストが8.5%減の5億17百万円、リグロスが0.8%増の2億22百万円、ヘルニコアが13.0%増の89百万円、そしてジェネリック医薬品計(クレナフィンAGを除く)が1.6%減の17億96百万円だった。
通期の連結業績予想については前回予想(26年5月13日付の期初公表値)を据え置いて、売上高が前期比16.9%増の899億円、営業利益が79億円(前期は8億99百万円の損失)、経常利益が86億円(同2億06百万円の損失)、親会社株主帰属当期純利益が203.1%増の65億円としている。配当予想も据え置いて前期と同額の190円(第2四半期末95円、期末95円)としている。予想配当性向は110.7%である。
マイルストン達成に伴う一時金受領等により大幅増収増益(営業・経常黒字転換)予想としている。研究開発費の計画は前期比16.1%増の239億円、国内主要医薬品・医療機器売上高(単体ベース)の計画はクレナフィン群が40.4%減の79億円、アルツが4.2%減の177億円、セプラフィルムが前年同期並みの70億円、エクロックが12.1%増の26億円、フィブラストが8.2%減の21億円、リグロスが4.0%増の9億円、ヘルニコアが38.7%増の4億円、ジェネリック医薬品計(クレナフィンAGを除く)が4.0%減の71億円の計画としている。
■長期経営計画2031
2023年3月期から10か年の長期経営計画2031については、経営環境の変化や計画の進捗を踏まえ、25年4月に一部見直しを公表した。見直しの考え方として、企業価値向上には画期的・革新的新薬の継続的な上市が不可欠のため戦略投資を増額するほか、業績やキャッシュ・フローの不確実性およびボラティリティの高まりを見据えつつ財務規律を維持する。また重要なステークホルダーである株主・投資家への株主還元を強化する。
業績目標としては32年3月期の売上高1000億円、営業利益285億円、ROE10%以上、海外売上高比率30%以上を掲げている。研究開発では10年間で8品目上市(P1以降PJ常時6品目以上をP1以降PJ常時8品目以上に変更)するためのパイプラインを確保する。戦略投資計画については10年間で2000億円以上を2600億円以上に変更した。株主還元方針では25年3月期の配当190円を下限としつつ、従来の配当性向30%以上・総還元性向50%以上を維持する。また今後7年間で株主還元総額500億円以上を見込んでいる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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