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【決算分析】鴻海精密工業、AIサーバー含むネットワーク製品売上が初めて家電部門上回る Nvidia「Vera Rubin」は年内出荷へ

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電子機器の受託製造サービス(EMS)世界最大手の台湾・鴻海精密工業(Foxconn)の2026年第2四半期(4-6月期)決算では、AIサーバー事業が成長をけん引し、AIサーバーを含むクラウド・ネットワーキング部門の売上高構成比が初めて過半数に達した。同社はNvidiaの次世代プラットフォーム「Vera Rubin」の出荷を2026年第4四半期に開始する見通しだ。一方、2027年にVera RubinをはじめとするAIサーバーの出荷をどこまで増やせるかは、TSMCの先進パッケージング技術「CoWoS」の供給能力に左右される可能性がある。
■AIサーバーを含む部門の売上高構成比が過半数に
鴻海精密工業の歴史上初めて、AIサーバーからの収益が、iPhoneを含むコンシューマーエレクトロニクス製品全体からの収益を上回った。同社が発表した2026年第2四半期(Q2)の純利益は、前年同期の444億台湾ドルから35%増となる599億7,000万台湾ドル(約18億6,000万ドル、約2,957億円)だった。この結果はLSEGがまとめたアナリスト予想の588億台湾ドルを上回り、第2四半期の純利益として過去最高を記録した。かつて深圳でのiPhone組み立てによって事業を拡大した同社は、売上高で見れば、現在ではAIインフラを中核とする企業へと変わりつつある。
AIサーバー事業を含むクラウド・ネットワーク部門は、2026年Q2の総売上高の51%を占め、Q1の48%から上昇した。同部門の売上高構成比が単一四半期で50%を超えたのは今回が初めてだ。iPhoneの組み立てを含むスマートコンシューマーエレクトロニクス部門は、四半期売上高の29%となった。コンピューティング部門は15%、電子部品部門は5%だった。
2026年Q2の連結売上高は、前年同期比41%増の2兆5,300億台湾ドル(約785億ドル、約12兆4,815億円)に達し、単一四半期としては過去2番目の規模となった。営業利益は前年同期比68%増の948億台湾ドル(約29億ドル、約4,611億円)となり、四半期として過去最高を記録した。営業利益率は3.75%で、前年同期から0.60ポイント改善した。
輪番制でCEOを務めるMichael Chiang氏は、この変化を季節的なものではなく、構造的なものと位置づけた。「AI関連事業の業績は第3四半期も成長を続けるだろう」と同氏は事前に用意した声明で述べた。「下半期にICT製品が需要期を迎えることと相まって、前四半期比で大幅な成長、前年同期比で力強い成長を見込んでいる」。Chiang氏はアナリストに対し、クラウド投資が今後数年間、鴻海にとって最も重要な成長要因になるとの見方を示した。同社は通期見通しとして「力強い」成長を改めて示した。この表現は2026年を通じて維持されているが、見通しに対する最大のリスクとして地政学的な変動を挙げている。Foxconnは具体的な数値予想を公表していない。
2026年上半期の業績もこの傾向を裏付けている。上半期の純利益は前年同期比27%増の1,098億9,000万台湾ドル(約34億ドル、約5,406億円)、売上高は同35%増の4兆6,500億台湾ドル(約1,442億ドル、約22兆9,278億円)に達した。
■次世代AIプラットフォーム「Vera Rubin」の出荷計画
投資家やサプライチェーンの計画担当者は、FoxconnによるNvidiaのAIサーバープラットフォーム「Vera Rubin」に関する最新情報に注目していた。Chiang氏は今回、これまでで最も明確なスケジュールを示した。現在のBlackwell世代に続くNvidiaの次世代プラットフォームであるVera Rubinのラックシステムは、2026年Q3にFoxconnの施設で量産準備に入り、初期出荷は2026年Q4に始まる見込みだ。「今後数四半期にわたって生産量は徐々に増加し、来年には当社の主力製品になるだろう」とChiang氏は水曜日、Reutersに語った。
Vera Rubin NVL72プラットフォームは、72基のRubin GPUと36基のVera CPUを1台の液冷ラックに搭載し、Nvidiaの第6世代NVLinkファブリックで接続する。総帯域幅は毎秒260テラバイトに達し、前世代のBlackwellが備える毎秒130テラバイトの2倍となる。この帯域幅の拡大は、現在の大規模言語モデル(LLM)で多く採用されるMixture-of-Experts(MoE)アーキテクチャにおいて特に重要だ。MoEでは、GPU間の高速通信が性能を左右する主要な要素となる。また、Vera RubinはBlackwellで使われているHBM3eメモリを次世代のHBM4に置き換え、GPU当たり最大50ペタフロップスと、Blackwell GPUの5倍のスループットを実現する。100万トークン当たりの推論コストは約10分の1になるとしている。
この発言は、ラックスケールシステムの主要な製造パートナーとしてFoxconnに依存するNvidiaにとって特に重要だ。Foxconnの自社集計によれば、同社は世界のAIサーバー市場で40%を超えるシェアを持ち、Blackwellの生産拡大以降、その地位を維持している。Chiang氏がQ4の出荷見通しを示したことで、AWS、Google Cloud、Microsoft Azure、Oracle Cloud Infrastructureを含むハイパースケールクラウド市場に、これまでで最も明確な生産スケジュールが示された。これら4社はいずれもVera Rubinのローンチカスタマーとして確認されている。CoreWeave、Lambda、Nebius、Nscaleの4社も、2026年秋の初期導入先として確認されている。
■AIサーバーの生産を制約する「CoWoS」パッケージング
受注が積み上がり、需要が一貫して強い状況にあるにもかかわらず、Chiang氏は2027年のAIサーバー市場の拡大ペースを制限しかねない要因を挙げた。それは製造現場の人員でも、工場の床面積でも、Nvidiaのチップ設計でもない。台湾積体電路製造(TSMC)が開発した先進パッケージング技術「CoWoS(Chip-on-Wafer-on-Substrate)」だ。AIチップに必要な規模でCoWoSを生産できるのはTSMCだけだとしている。
CoWoSの重要性を理解するには、その役割を知る必要がある。TSMCが3ナノメートルのシリコンウェハー上にRubin GPUを製造しても、得られたダイを単体で機能するAIアクセラレータとして出荷することはできない。まず、シリコンインターポーザー上で複数の広帯域メモリ(HBM)スタックと接合する必要がある。シリコンインターポーザーは、従来のプリント基板を用いた基板では実現できない密度の相互接続を備える精密な基板だ。
CoWoSはこの接合を担うプロセスで、半導体の前工程に相当する水準のクリーンルームを必要とする。商業規模でこうした設備を運用しているのはTSMCだけだとしている。CoWoS工程を経なければ、製造を終えたGPUウェハーは出荷可能な製品にならない。AIサーバー出荷のボトルネックが、生産能力の拡大が進むシリコン製造から、TSMCのCoWoSラインで供給不足が続く先進パッケージングへ移っているのはこのためだ。
生産能力の推移が状況を示している。TSMCのCoWoS生産量は2024年後半時点で月産約3万5,000枚だった。2025年末までには約7万5,000枚に増加した。2026年末の目標は月産12万5,000~13万枚で、2年足らずで4倍近くに増える計算だが、それでも需要を満たすには不十分とされている。TSMCのCEOであるC.C. Wei氏は、2026年6月の年次総会で、CoWoSの生産能力は「依然として極めて逼迫しており、2026年分まで完売している」と説明した。Morgan Stanleyによると、TSMCのCoWoS総生産量の約60%を確保するNvidiaは、2027年まで利用可能な生産能力の大部分を事前に押さえているという。
決算説明会でChiang氏は、「市場では現在、来年のCoWoS生産能力が50%を超えて増加すると予想されている。しかし、そのうちどれだけが最終的に次世代AIサーバーラックの出荷に結びつくかは、チップ供給次第だ」と語った。
つまり、2027年にFoxconnが生産できるVera Rubinの数量を制約するのは、Foxconn自身の工場ではない。制約は上流のTSMCにあり、NvidiaがTSMCの2027年分のCoWoS割り当てを、競合するチップ設計企業に対してどれだけ確保できるかに左右される。競合にはAMDやBroadcomのほか、GoogleのTPU、AmazonのTrainiumが含まれる。Foxconnは、パッケージングを終えて供給されたチップを組み立てる立場だ。出荷量を実質的に左右する制約要因は、ヒューストンやメキシコの組み立て拠点ではなく、新竹にあるTSMCの後工程パッケージング施設にある。
■2027年のインフラ構築に向けた見通し
2027年にAIインフラの構築を計画する企業の調達担当者にとって、Chiang氏の発言は明確なシグナルとなる。AIサーバー市場には、供給された製品を吸収できるだけの需要がある。問題は、実際にどれだけの製品を出荷できるかだ。
TSMCが市場予想の通りCoWoSの生産能力を50%拡大し、Nvidiaが約60%の割り当てシェアを維持すれば、NvidiaベースのAIラックの供給量は大幅に増える可能性がある。しかし、Silicon Analystsの分析によれば、TSMCの後工程パッケージング施設は2027年分まで完売状態が続き、リードタイムは52~78週間に及ぶという。CoWoSの逼迫を緩和する可能性があるパネルレベルパッケージングやガラス基板などの代替技術は、2028年より前に商業生産規模へ達するとは見込まれていない。
Chiang氏はまた、AIインフラ整備を支える需要の拡大はまだ始まったばかりだとの見方を示した。現在の主な購入者はクラウド事業者とAI研究機関であり、政府や一般企業による導入はまだ初期段階にあるとアナリストに説明した。この見方に立てば、CoWoSの制約は、複数年にわたる需要拡大の中で2027年の成長ペースを左右する関門となる。市場の最終的な成長上限ではなく、そこへ到達する速度を抑える要因という位置づけだ。
Foxconnが5月に示した設備投資見通しによると、同社の2026年の設備投資額は2025年比で約30%増える見込みだ。Reutersによれば、同社は現在、メキシコと米テキサス州で、Nvidiaプラットフォームの生産に特化したAIサーバー製造施設を建設している。これらの工場はFoxconnの組み立て能力を拡大するが、TSMCのCoWoSラインに対するサプライチェーン上の位置づけを変えるものではない。Foxconnは引き続き、自社では制御できない供給制約の下流に位置する。
■記録的な業績にもかかわらず株価が市場平均を下回る理由
水曜日の決算発表を前に、台北市場でFoxconn株は前日比2.7%高で取引を終え、年初来では約17%上昇している。同じ期間に台湾加権指数(TAIEX)は約57%上昇した。この約40ポイントの差は、記録的な四半期業績だけでは解消されない投資家の疑問を反映している。
受託製造は構造的に利益率の低い事業であり、AIサーバーは製品単価が高いとはいえ、自動的にiPhoneより高い利益率をもたらすわけではない。2026年Q2のFoxconnの粗利益率は6.12%で、前年同期からは0.21ポイント低下した。営業利益率はオペレーティング・レバレッジによって3.75%に改善したものの、他社に代わって製品を製造する企業の基本的な事業構造は変わらない。Foxconnが製造の複雑さと資本負担を引き受ける一方、NvidiaやAppleはソフトウェアやブランドから生じる経済的価値を保持する。このため、売上高の成長が同じ割合で利益の拡大につながるとは限らない。
AIサーバーへ売上構成が移る動きは現実のものであり、構造的でもある。しかし、Vera Rubin世代で生産規模を拡大した際に、AIサーバー部門がどの程度の収益性を確保できるかは、依然として不透明だ。市場はこれを先回りして評価するのではなく、実績を見極めようとしている。
2026年7月の月次売上高は、Foxconnの歴史上初めて9,000億台湾ドル(約279億ドル、約4兆4,361億円)を超えた。これは2026年Q3も売上高の拡大傾向が続くことを示唆している。その成長が利益率の改善にもつながるかどうかが、Foxconn株の年初来上昇率が17%にとどまり、指数の57%を下回っている背景にある。
■注目ポイントQ&A
●CoWoSとは何ですか?なぜAIサーバーの出荷を制約するのですか?
CoWoS(Chip-on-Wafer-on-Substrate)は、TSMCが開発した先進的な半導体パッケージングプロセスです。GPUのロジックダイと複数の広帯域メモリ(HBM)スタックをシリコンインターポーザーに接合し、従来のプリント基板を使った基板では対応できない速度の相互接続を実現します。この工程を経なければ、製造済みのGPUウェハーを利用可能なAIアクセラレータに仕上げることはできません。
TSMCは、AIチップに必要な規模の世界のCoWoS生産能力の約90%を管理しており、その生産能力は2024年以降、完売状態にあります。TSMCは2024年後半の月産約3万5,000枚から、2026年末までに月産12万5,000~13万枚へと生産能力を拡大する方針ですが、需要は供給を上回っており、2027年まで逼迫した状態が続くと予想されています。このため、FoxconnのCEOであるMichael Chiang氏は、自社の組み立て能力ではなくCoWoSの割り当てが、2027年に実際に出荷できるVera Rubinラックの数量を左右すると指摘しました。
●NvidiaのVera Rubinサーバーはいつ出荷が開始されますか?Blackwellとの違いは何ですか?
Vera Rubinのラックシステムは2026年第3四半期にFoxconnで量産準備に入り、2026年第4四半期に出荷が始まる見込みです。その後、2027年にかけて生産量が徐々に増加すると予想されています。
Vera Rubinは、新しい88コアのVera CPUとRubin GPUを組み合わせ、BlackwellのHBM3eに代えて次世代のHBM4メモリを採用します。GPU当たり最大50ペタフロップスと、Blackwell GPUの5倍の推論性能を実現し、Blackwell世代の2倍となる毎秒260テラバイトの相互接続帯域幅を持つNVLink 6ファブリック上で動作します。Chiang氏は、Vera Rubinが2027年にFoxconnの主力製品になると予想しています。
●Foxconnは現在も世界のiPhoneの大半を製造していますか?
はい。ただし、生産地域には変化が起きています。FoxconnがApple向けに組み立てるiPhoneの大半は、依然として中国で生産されています。一方、米国で販売されるiPhoneの多くは現在、Foxconnのインド拠点で製造されています。これは、中国を原産地とする製品に対する米国の関税政策によって加速した構造的な変化です。
iPhoneの組み立てを含むスマートコンシューマーエレクトロニクス部門は現在、Foxconnの四半期売上高の29%を占めています。一方、AIサーバー事業を含むクラウド・ネットワーキング部門は51%です。コンシューマーエレクトロニクスの組み立てが同社の中核事業と位置づけられていた時期から、売上構成は大きく変化しています。
●記録的な利益を上げているにもかかわらず、Foxconnの株価が台湾市場全体を下回っているのはなぜですか?
Foxconn株は年初来で約17%上昇しましたが、台湾加権指数(TAIEX)の約57%上昇を下回っています。この差は、AIサーバーの組み立て事業が、売上高の成長に見合う利益率の改善をもたらすかどうかについて、投資家が慎重に見ていることを反映しています。
AIサーバーの受託製造は売上規模が大きい一方、利益率の低い事業です。2026年第2四半期のFoxconnの粗利益率は6.12%で、前年同期をわずかに下回りました。営業利益が前年同期比68%増加したことは、事業規模の拡大によるオペレーティング・レバレッジの効果を示しています。しかし市場は、AIサーバー事業の成長を株価へ本格的に織り込む前に、売上高の増加だけでなく、持続的な利益率の改善を確認しようとしています。
元記事: Foxconn CEO Names CoWoS Packaging as 2027 AI Server Ceiling After Record Q2 Earnings
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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