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メーカー仕入:しまむらが、好採算事業を展開できる理由

10月15日、16日にオープンしたしまむらグループの「ファッションセンターしまむら」「アベイル」「シャンブル」の笠岡店(画像: しまむらの発表資料より)[写真拡大]
しまむら(8227、東証プライム市場)。「低価格の実用・ファッション衣料。仕入主体。ローコスト運営。ベビー業態「バースディ」も」(会社四季報特色欄)。
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ファストファッション。ファストフード(早くて安い食べ物)をもじって生まれた造語。ユニクロやGAP、しまむら指す。2009年に「流行語大賞」に選ばれている。
前記の四季報特色欄を見る度に思う。ユニクロやGAPに象徴される「SPA(自社企画・製造)」こそ、アパレル業界のコスト削減・利益率向上の枠組みとされる。対してしまむらは「仕入主体」。どうやってしまむらは、ユニクロ等を相手に戦っているのかと・・・。
しまむらは、1923年(大正12年)に島村呉服店として創業された。古い歴史を積み重ねた現在「しまラー(全身のコーディネイトをしまむらで済ませる消費者)」なる表現を産み出すほどの、存在感を示している。
収益動向を見ると前2月期までの5期間で、「4.0%増収、65.4%営業増益」「7.6%増益」「5.6%増収、7.9%増益」「3.1%増収、3.8%増益」「4.8%増収、7.1%増益」。
そして今26年2月期も「4.1%増収(6926億4000万円)、2.4%増益(606億9000万円)」計画。着実な歩みを続けている。
「宿敵」の「季節性」とも闘いながら(20年2月期は想定以上の暑い夏持続⇔冬物商戦苦戦⇔在庫増で4.4%減収・減益)である。
「仕入」への対応はこんな姿勢でクリアしてきた、とされる。
バイヤーへの「4つの悪」の追放を公言。「返品」「赤黒伝票(修正伝票)」「追加値引き」「未引取引(期間内の非受け取り)」。それが「しまむらとの取引を優先させメーカーにとりしまむらを最大・最良の取引先にしている」というのだ。
従っていまアナリストの間で、しまむらのPB比率向上(25%近く)を「(メーカーとしまむら)双方の好利害関係上昇」施策として注目されている。
また私はしまむらの例えば「高齢者向けネット通販」などは、評価したいと考える。そしてこの「ネット販売」に関してもこの10月下旬から、「1つのサイトに全てを収斂」する。合理化策が積極的に進められている。
しまむらの財務内容は、自己資本比率88.3%に確認できるように良好。本稿作成中の株価は9000円台半ば。年初来の株価動向は3月11日の安値:8240円から8月12日の1万1575円(高値)まで買い戻され押し目場面。IFIS目標平均株価1万346円を勘案すると、更なる押し目場面を視野にするのが賢明と思えるが・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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