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国会の赤絨毯を納入する:SUMINOE、中計のPBR1倍は実現するか

株主優待カタログ限定のコインパース(画像: SUMINOEの発表資料より)[写真拡大]
SUMINOE(3501、東証プライム市場)。会社四季報のパラパラ読みで、改めて目を奪われたのは特色欄の「国会の赤じゅうたんを納入する名門繊維会社」の件。再度、覗き込んでみることにした。
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絨毯もその範疇に入るがカーテン・カーペット・壁紙・ふすま紙等の「インテリア事業」。自動車の足元から天井までの「内装材」を手掛ける事業。新幹線・鉄道・船舶・航空機内に展開する「内装材」事業。詳細は後述するが、こうした三事業を軸に、新しい分野にも積極的姿勢を示している。
昨年12月までの社名は、住江織物。創業は村田伝七翁。1848年(嘉永元年)に大阪で「米伝」という米穀商を営んでいた。この御仁、後に「誠実で頑固、人一倍研究熱心だった」とSUMINOEの沿革で振り返られている。
というのもその時代、「堺緞通(堺は冠、緞通は手織りの厚地敷物)」が米国向け輸出品としてエリアの副業として人気を博していた。村田翁も倣った。決して先達ではない。が先の沿革にも記されているように、「人一倍研究熱心」。受け入れざるをえない。米穀商から敷物業に転じた住江織物作の赤絨毯は、日本の近代化を象徴する「帝国議会議事堂」の「赤い敷物」に選ばれたからである。
SUMINOEではいま、至2027年5月期の中計が進行中。
「売上高1090億円(24年5月期比5.3%増収)、営業利益50億円(51.5%増益)」を掲げている中計のキャッチコピーは、「着実に変わるために」。そして具体的に、こう謳っている。
「グローバル戦略のアップデート:60カ国11拠点に加え、ベトナム拠点を加える」。
「非繊維部門の拡充:合成皮革の売上高100億円は、24年5月期に前倒しで達成した。今後はメキシコ工場を成長エンジンに加速させる」。
注目して見守りたい。「注目」としたのは24年5月期が「9.1%増収、154.9%営業増益」と、課題の「利益」が急増のトレンド入りを示した。が25年5月期は「9.0%減益(30億100万円)」、今26年5月期は「3.3%増益(31億円)」計画にとどまっているからだ。中計でも「ROE8%」と利益体質への遅々たる状況を示している。
本稿作成中の株価は1200円台入り口。予想税引き後配当利回り2.8%余り。今年の値動きは4月7日の安値(1020円)/全体相場の下落に引きずられたが、その後の高値は1268円(5月28日)と戻り足は鈍い。現在値の予想PBR0.52倍(中計でも1倍を掲げている)・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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