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ニッチでリッチな企業:デクセリアルズの株式投資には大いに悩まされる理由
デクセリアルズ(4980、東証プライム市場)。旧ソニーケミカルズが前身。文字通り「ニッチでリッチ」な企業。異方性導電膜や光学弾性樹脂などが主力。
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前2025年3月期の決算資料から「ニッチ」事業を覗き込むと、こんな具合。
<光学材料部品事業>: 「光学フィルム」は反射防止フィルムでノートPC用ディプレイ向け製品好調+車載ディスプレイ向け製品の採用増加。が、蛍光体フィルムの販売終了響く。「光学樹脂材料」はSVR(光学弾性樹脂)堅調も、精密接合用樹脂で収益性の高いスマフォ向けセンサー関連製品の数量減が重荷。
<電子材料部品事業>: 「複合関連材料」はノートPC向け汎用製品の数量が前期並み。「異方性導電機」は主に中国・韓国のスマフォ向け粒子整列型ACFの拡大が持続で増収増益。
文科系、それも回転が鈍くなった頭には子細な理解は難事。が、そういう次第。
2021年3月期から24年3月期の売上・営業利益の推移は「14.1%増収、145.6%増益/45.4%増収、135.0%増益/10.9%増収、21.2%増益/0.9%減収、3.5%増益」。配当は44円配が100円配に。そしてIFRS基準に変更した前3月期は「売上高:1070億円、営業利益:335億円」計画で立ち上がり、「1103億9000万円、380億6800万円」で着地。24年10月1日付けの1:3分割を勘案すると配当は、実質配当は174円。
至29年3月期の5カ年中計が進捗中。「売上高1500億円(24年3月期比42.6%増.)、営業利益500億円(49.6%増)」が掲げられているが、営業利益率33%は「ニッチでリッチ」を改めて痛感させられる。
が言い方は?だが、ここまでの好収益企業を目の前にすると株式投資の姿勢に迷いを覚える。
本稿作成中の株価は2100円台入り口。予想税引き後配当利回りは2.2%。今年の株価動向は1月6日の年初来高値2479円から4月7日の安値:1383円まで場況に押され下落後の戻り過程。この限りでも十分に好配当利回りを背もたれに高値奪還を待ってみるのも投資法と感じるが、欲が出てくるのも当然。
9年半弱の修正済み株価パフォーマンスは4.3倍強。IFIS目標平均株価は2767円。中長期投資構えが賢明、と捉えたくもなる。現に外資系証券のストラテジストは「分割や自社株買いなど株主還元策にも積極的姿勢。中計の順調な進捗を確認しつつ業績/株主還元期待で修正済み株価パフォーマンス狙いも一法」とまでいう。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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