女性の「要介護」回避で注目されている、カーブスHDのフィットネスクラブとは

2025年1月18日 09:58

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 カーブスホールディングス(7085、東証プライム市場)。女性専用のフィットネスクラブを、フランチャイジー方式で展開している。

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 上場初年度の2020年8月期こそコロナ禍で「10.5%減収、78.5%営業減益」と足踏みを強いられたが、21年8月期は「1.6%減収、39.0%営業増益」と早々に切り返し基調に転じた。

 当該期の決算資料では「ウィズコロナ・アフターコロナの市場環境は、予防・健康マーケットは大きく拡大する」「非接触型サービスの需要が高まるなど質的変化が発生する」、と「まさに我が意を・・・」の姿勢を示している。

 背景として例えば20年9月にリリースした、「おうちでカーブス(オンラインフィットネス教室)」の施策効果などが指摘できる。現に以降の収益は「11.5%増収、69.1%営業増益、2円増配7円配」「9.1%増収、40.4%営業増益、10円配」「18.1%増収、41.7%営業増益、15円配」と堅調さを示し、今25年8月期も「7.1%増収(380億円)、15.4%営業増益(63億円)、17円配」計画。ちなみに24年8月末時点の店舗数は47都道府県に1962(直営:76/FC1886)、会員数約81万7000人。

 源流は1992年に米国テキサス州で生まれた、カーブス。創業者:ベイリー・ヘブン氏は糖尿病・高血圧・肥満が原因で母親を失った。「母のような女性が通えるフィットネスクラブをつくる」という思いが、原点だったと伝えられている。

 「50歳前後から」と銘打たれたカーブスの詳細はホームページに譲るが、こんな風に括ることができる。

 ◆「筋力トレーニング」「有酸素(脂肪燃焼)運動」を交互に繰り返し、最後に「12種類のストレッチ」で筋肉を伸ばす。この間、約30分。女性に必要なすべての運動ができる独自のプログラム。「生活習慣病予防:国立研究開発法人国立健康・栄養研究所」「介護予防:東京都健康長寿医療センター研究所」「認知症機能改善:東北大学加齢医学研究所」の専門機関と共同研究・開発・認証。

 ◆女性は30歳を過ぎると年に1%ずつ筋肉が減っていくと言われる。40代後半から影響が表れる。筋肉が減ると基礎代謝が下がり、脂肪がつき痩せにくい身体になる。腹回りに内臓脂肪が蓄積され血圧や血糖値の健康数値が悪化し、生活習慣病を発症しやすくなる。筋肉の減少は膝・腰などの関節の痛みにもつながりやすい。これらを放置すると脳卒中や心筋梗塞などの「寝たきり・要介護」リスクを高める。

 ◆食事だけのダイエットでは、筋肉を落とす。

 カーブスHDの時価は、700円台前半。予想税引き後配当利回り1.85%弱。IFIS目標平均株価は890円。上値余地を残している・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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