地域活性化にも寄与、中小企業のM&A戦略傍らにHD化を図るメイホーHDとはこんな会社

2024年2月16日 16:25

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 昨年10月12日、メイホーホールディングス(東証グロース。以下、メイホーHD)の株価が出来高を伴い急伸した。前日の終値2584円(出来高7800株)に対し、12日は2846円(5万3500株)まで買い進まれた。27億6500万円を投じた今田建設HD(大阪メトロの鉄道工事や官公庁・民間建築を手掛ける)のM&A発表の結果だった。

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 メイホーHDの事業は「建設コンサルティング」「総合建設」「人材関連サービス」「介護事業」に分類される。そして・・・

 国や地方公共団体の道路・河川・橋梁工事に関して、土地の買収や移転に伴う損失調査・想定までを手掛ける「建設コンサルティング」では、傘下に8社が配置されている。

 道路・橋梁の新設・維持・修繕を担う「総合建築」では、M&Aでグループ入りした6社がことを担っている。

 建設・製造業向け人材事業や警備事業、海外アウトソーシングを運営する「人材関連サービス」では、傘下に内外6社が整備されている。「介護事業」も買収したアルト社が運営に当たっている。

 今日の記したようなホールディングス化経営体制を整えた2代目社長の尾松豪紀社長は、構築した体制を「中小企業経営支援プラットフォームを核にしたホールディングス経営。中小企業の成長は地域の活性化にも大事」とし、「2030年までに全国300社体制を目指す」と公言している。

 ちなみに介護事業に関しては、「行政関連の仕事を拡充していきたいという流れの中で、ご縁があって始めた」という。

 2030年までに全国300社を口にするほどだから、M&Aに対する軸足は揺るぎない。

  - 過去の経験では、年間のM&A件数は3件くらい。売上高規模は3億から7億円、8億から10億円未満。譲受価格は感覚的に5億から6億円程度が多いと思う。

  - 資金は銀行借り入れや、マーケット状況を見ながらの株の売り出し。

  - のれん償却の理論値はM&Aをした企業の生み出すキャッシュが、償却の元手と考えている。

  - 仲介手数料やデューデリジェンスは一過性。利益は2年目から横ばいになるとされるが、M&Aをした企業からの利益は0円になるというのが我々の基本的な理論値。

 といった具合に、「地に足のついた視点」でM&Aを経営戦略とし手元に置いている。22年、23年6月期とも件数は3件。着々とことを進めている。

 今6月期第1四半期の介護施設事業社:アルトの前年同期比「16.2%増収、161.4%営業増益」という現実に、その経営力ぶりは窺える。

 本稿作成中の時価は2700円台前半。冒頭に記した株価を上回った水準で踏ん張っている。押し目買い・中長期様子見が賢明か・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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