SBI新生銀行、上場廃止でどうなる公的資金の返済

2023年9月7日 16:24

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●SBI新生銀行が上場廃止へ

 SBI新生銀行は1日に開催した臨時株主総会で、非上場化に向けた株式併合に対する議案を承認した。28日付で上場廃止となる見通しだ。

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 SBI新生銀行は、SBIホールディングス(HD)の傘下であり、SBIのTOB成立により、非上場化となる。

 旧新生銀行は約20年前に経営破たんしており、その際に国から投入された公的資金は、約3500億円が未返済のまま残っている。

 非上場により、順調に公的資金の返済を実現できるのだろうか?

●SBI新生銀行の歴史

 1952年に北海道拓殖銀行と日本勧業銀行の信用部門を分離して設立されたのが、日本長期信用銀行(以下長銀)である。

 長銀はバブル崩壊による不良債権を抱えていた影響で、1998年に倒産し、一時国有化された。2000年から新生銀行に名称を変更し、2004年から普通銀行に転換した。

 2021年からSBIの子会社となり、2023年1月からはSBI新生銀行に名称を変更。SBIが50%以上の株式を保有している。

 優遇金利やATM手数料・振込手数料の無料化(制限はあり)などのサービスは評判が高く、同じグループのSBI証券との連携サービスも手厚く、クレジットカード・アプラスや消費者金融レイクなどのノンバンクも所有する。

 一方で同じく一時国有化されていた、りそな銀行やあおぞら銀行は公的資金を完済したが、SBI新生銀行だけ道筋がついていない。

●無事に完済できるのか?波乱含みも!?

 SBI新生銀行は、約3500億円の未返済公的資金のうち、2024年に190億円を返済するとしている。

 今回のTOBに対し、公的資金の返済には程遠いと言われる、1株2800円での買い取りには納得がいかないという一般株主も多く、株主総会でも賛成は一般株主のわずか1割だった。

 今後、買い取り価格を巡って裁判になる可能性も否定できない。そもそも公的資金の返済に具体的な計画がないことにも、不満の声は多い。

 現在はSBIとの連携で好評なサービスも一部改悪があり、公的資金返済が優先されれば、さらにサービスが悪化し、ユーザー離れという悪循環も危惧される。

 まだまだSBI新生銀行の道筋は険しそうである。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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