ソフトバンクGに迫る吉と凶! 注目される「アーム」と「ウィーワーク」の行方 (2)

2023年8月21日 16:05

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 英半導体設計大手アーム上場が現実味を帯びて来たため、アームにアリババの役割を期待する向きもあるだろうが、20億円の投資が数千倍に大化けしたアリババと、3兆円ほどの投資が6~8兆円の企業価値になると見込まれているアームを比較すること自体がナンセンスだろう。

【前回は】ソフトバンクGに迫る吉と凶! 注目される「アーム」と「ウィーワーク」の行方 (1)

 確かに金額で数兆円という評価益は途轍もない金額だが、SBGが23年決算で公表した手許資金5兆円と比較すると、それほどの重みはない。2倍や3倍に化けることは特別珍しいことではないが、桁が2つも3つも上だから圧倒されてしまうのだ。

 7月にSBGが投資を再開したと注目された英フィンテック企業への投資額は、90億円弱と見られている。5兆円の手許資金を持つ企業にとって90億円の持つ重みと、500万円の資金を持つ個人投資家に置き換えると9000円でしかないから、投資というよりはショッピングのレベルだ。9000円をうまく運用しても、スケールアップは至難だろう。

 裏目の運用が続いてすっかり弱気になったわけではないだろうが、とても「投資の再開」と言えるようなレベルではない。

 再び経営危機に直面していると伝えられる米シェアオフィス大手ウィーワークに対する投資額は、19年に上場断念に追い込まれた時期に1兆円を軽く超えていた。その後も金食い虫のような存在だったウィーワークに追い貸しは論外だが、呑気に傍観することもできない。

 19年にIPO(新規株式公開)断念に追い込まれたウィーワークは、21年に特別買収目的会社(SPAC)と合併するという強引な手法で上場に漕ぎ着け、初日に11ドル超の終値を付けた。その後はジリジリと値下がりを続け、17日の終値が0.16ドルとなった翌日の18日、ウィーワークは発行済の株式40株を1株とする併合計画を発表した。

 株価が1ドルを割り込んで30日間続いた場合には、上場廃止を勧告出来るというニューヨーク証券取引所(NYSE)の決まりに先手を打ったように見えるが、追い詰められ感は否めない。8日の決算発表時には、「継続企業としての前提に重大な疑義が生じている」ことを開示したばかりだから、いよいよ切迫して来たと言える。

 アーム上場の悦びが先か、ウィーワークの退場が先か、孫正義氏にとって気の休まらない1カ月となりそうだ。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

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