東京・八重洲ダイビル、建て替えに着工 複合施設として2025年オープンへ

2023年3月14日 08:19

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八重洲ダイビル建て替えの完成イメージ(ダイビル発表資料より)

八重洲ダイビル建て替えの完成イメージ(ダイビル発表資料より)[写真拡大]

  • 完成イメージ(ダイビル発表資料より)
  • 計画位置(ダイビル発表資料より)

 不動産開発大手のダイビルは、JR東京駅八重洲口の名物建築物だった八重洲ダイビル(東京都中央区京橋)の建て替えに着工した。2021年に閉館した旧八重洲ダイビルの面影を残す外観とし、1、2階に商業施設、3階以上にオフィスが入る複合施設になる。完成は2025年中ごろの予定。

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 建設場所は旧八重洲ダイビル跡地約2,000平方メートル。建物は鉄骨一部鉄骨鉄筋コンクリート、鉄筋コンクリート地下3階、地上11階建て延べ約2万2,700平方メートルで、地下1階で八重洲地下街と直結する。

 1、2階は地域のにぎわいを創出する店舗を誘致し、角地を生かして八重洲通り、柳通りの両方から来店できるようにする。3~11階はオフィスゾーン。ワンフロア約1,300平方メートルにレイアウトしやすい無柱空間を実現する。

 外観は旧八重洲ダイビルの印象を強く残し、柱型を強調した重厚なデザインを再現するとともに、窓周りのアーチで優美さを表現する。近い将来、発生が予想される首都直下型地震に備え、揺れを大幅に軽減できる中間層免震構造を採用する。

 太陽光発電設備や自然換気システム、複層ガラス、高効率熱源などを導入して環境負荷の軽減に努める。省エネルギー性能表示制度において、延べ床面積1万平方メートル以上でエネルギー消費量を60~70%以下に抑える建築物に与えられる、ZEB Oriented(オリエンテッド)を取得する見込み。

 旧八重洲ダイビルは1967年の完成。当時、日本を代表する建築家の1人に数えられた村野藤吾氏が設計し、屋上緑化など斬新なアイデアを実現させた。国内の優秀建築物に贈られる建築業協会賞、「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」に選ばれるなど、八重洲の名物建築物になっていた。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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