J.フロント、ベンチャーキャピタル設立 小売業界の変革を支援へ

2022年10月12日 11:15

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JFR MIRAI CREATORS Fundのチラシ(J.フロントリテイリング発表資料より)

JFR MIRAI CREATORS Fundのチラシ(J.フロントリテイリング発表資料より)[写真拡大]

 大丸松坂屋百貨店やパルコを傘下に持つJ.フロントリテイリングは11日、スタートアップ企業や起業家を支援するイグニション・ポイントベンチャーパートナーズと共同で、ベンチャーキャピタルの「JFR MIRAI CREATORS Fund」を設立し、運用を始めたと発表した。小売業界に変革をもたらすスタートアップ企業などを支援する。

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 JFR MIRAI CREATORS Fundは、すべての未来を創造する人を大事にしたいという思いを名前に込め、「未来をより良く、面白くする」とのビジョンを掲げた。運用期間は10年間。運営規模は30億円としている。

 投資テーマとしては「人々のライフスタイルをアップデートする」、「人と人との関わりをアップデートする」の2つを挙げている。「エンターテイメント」、「ヘルスケア」、「小売業界の変革」、「不動産や金融、資産形成に関係する分野」、「WEB3やメタバース、NFTなど革新的な領域」の5つを注目領域とした。

 J.フロントリテイリングはファンドの設立により、2つの投資テーマ、5つの領域に存在する将来有望なスタートアップ企業を探索して支援するとともに、スタートアップ企業と力を合わせて新規事業やコンテンツの創出を進める方針。

 さらに、ファンドの探索で得られた事業シーズとグループ内のアイデア、施策を結合させるなどして多くのグループ社員が参画し、グループ内外が結合するシステムの構築、発明する企業風土の育成を考えている。

 小売業界はグローバル化とデジタル化が進む中、消費者のライフスタイル変化に合わせた未来の姿の模索が続いている。J.フロントリテイリングは、既存の大企業から出にくいイノベーションの種をスタートアップ企業のアイデアに求め、百貨店や量販店の次の姿を見つけることも視野に入れている。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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