朝日ラバーは23年3月期2Q累計利益予想を上方修正、通期利益も上振れの可能性

2022年8月9日 15:24

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は8月8日の取引時間終了後に23年3月期第1四半期連結業績を発表した。自動車向けゴム製品の受注回復遅れで営業・経常減益だった。ただし生産性改善やコスト削減効果で各利益が計画を上回ったため第2四半期累計利益予想を上方修正した。通期予想は据え置いたが、原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価改善効果などで通期も上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は年初来安値圏で小動きだが徐々に下値を切り上げている。第2四半期累計利益予想の上方修正を評価して出直りを期待したい。

■23年3月期1Q営業・経常減益だが2Q累計利益予想を上方修正

 23年3月期第1四半期の連結業績は売上高が前年同期比2.4%減の17億54百万円、営業利益が9.8%減の70百万円、経常利益が2.6%減の80百万円、親会社株主帰属四半期純利益が12.7%増の69百万円だった。自動車減産による自動車向けゴム製品の受注回復遅れで営業・経常減益だった。親会社株主帰属四半期純利益は特別利益に受取保険金を計上して増益だった。

 工業用ゴム事業は売上高が6.0%減の14億20百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が7.6%減の1億24百万円だった。卓球ラケット用ラバーの好調が続いたが、ASA COLOR LEDやスイッチ製品などの自動車向けゴム製品が中国のロックダウンや半導体不足などの影響で減少した。RFIDタグ用ゴム製品も最終需要地である米国での需要低迷で減少した。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が16.9%増の3億34百万円、セグメント利益が16.1%増の28百万円だった。経済活動の緩やかな回復に伴ってプレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の売上が増加した。

 なお中期事業分野別売上高は、光学事業が19.5%減の6億62百万円、医療・ライフサイエンス事業が20.9%増の3億52百万円、機能事業が12.1%増の5億95百万円、通信事業が5.2%減の1億44百万円だった。

 第1四半期は営業・経常減益だったが、生産性改善やコスト削減効果で各利益が計画を上回ったため第2四半期累計の利益予想を上方修正(売上高は下方修正)した。修正後の第2四半期累計予想は売上高が前年同期比3.1%減の35億19百万円、営業利益が37.5%減の1億10百万円、経常利益が32.1%減の1億21百万円、親会社株主帰属四半期純利益が26.3%減の1億00百万円とした。

 前回予想に対して売上高を91百万円下方修正したが、営業利益を51百万円、経常利益を64百万円、親会社株主帰属四半期純利益を63百万円それぞれ上方修正して減益幅が縮小する見込みとした。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が22年3月期比6.1%増の74億54百万円、営業利益が12.5%減の2億55百万円、経常利益が19.8%減の2億51百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が21.6%減の1億87百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の20円(期末一括)としている。

 通期の売上高計画は内訳を見直して、セグメント別には工業用ゴム事業が6.0%増の61億80百万円、医療・衛生用ゴム事業が6.7%増の12億74百万円、中期事業分野別には光学事業が2.2%減の30億36百万円、医療・ライフサイエンス事業が6.6%増の13億14百万円、機能事業が20.4%増の25億94百万円、通信事業が4.2%減の5億10百万円とした。ASA COLOR LEDが減収見込みだが、医療用ゴム製品、卓球ラケット用ラバーが好調に推移し、RFIDタグ用ゴム製品も回復に向かう見込みとしている。

 通期予想は据え置いたが、原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価改善効果などで通期も上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は年初来安値圏で小動きだが徐々に下値を切り上げている。第2四半期累計利益予想の上方修正を評価して出直りを期待したい。8月8日の終値は545円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円22銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1030円86銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約25億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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