7月の倒産件数は494件、4カ月連続で増加 倒産増加の兆し強まる

2022年8月9日 07:31

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 東京商工リサーチが発表した7月の倒産状況によると、倒産件数は4カ月連続で、負債総額は2カ月連続で増加となるなど、倒産が増える兆しが強まっていることが分かった。

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■倒産件数は反転増加の兆しが強まる

 8日、東京商工リサーチが7月の倒産状況を発表。2022年7月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)件数は、前年同月比3.8%増の494件となり、4カ月連続で増加となった。7月としては3年ぶりに前年同月比プラスとなったことで、底打ちから反転増の兆しが強まった。

 負債総額は同18.3%増の845億7,000万円となり、2カ月連続で増加した。主な大型倒産は、プラズマディスプレイパネル用背面板製造のディー・エー・ピー・テクノロジー(負債額:130億円、以下同じ)、ソフトウェア開発等のオフィスエフエイ・コム(60億6,500万円)、菓子販売等のホテルショコラ(51億円)など。

 負債額が1億円未満の小規模倒産の件数は345件で全体の69.8%と大半を占めているものの、負債額が1億円以上5億円未満の中規模倒産件数が125件と、同約1.8倍に増加したことで負債総額が増加した。

■5産業で倒産件数が増加

 産業別の倒産件数で最も多いのは、サービス業他の155件(前年同月比:4.9%減、以下同じ)。以下、建設業が96件(37.1%増)、卸売業が60件(13.8%減)、製造業が51件(1.9%減)、小売業が50件(13.8%減)など。

 倒産件数が減少したのは、先の4産業のほか、農・林・漁・鉱業(倒産件数:5件、前年同月比:16.7%減、以下同じ)。増加したのは先の建設業のほか、金融・保険業(2件、前年から2件増)、不動産業(23件、43.8%増)、運輸業(26件、30.0%増)、情報通信業(26件、30.0%増)の5産業だった。

 また新型コロナウイルス関連の経営破綻件数は同19.8%増の169件。2020年2月からの累計倒産件数は3,657件となった。

■22都府県で倒産件数が増加

 地区別では、中部(倒産件数:55件、前年同月比:22.5%減、以下同じ)、近畿(137件、4.1%減)、中国(13件、13.3%減)、四国(9件、18.1%減)の4地区で減少。関東(208件、21.6%増)、東北(24件、20.0%増)、九州(30件、11.1%増)の3地区で増加。北海道と北陸がともに9件で前年同月比変わらず。

 都道府県別では、東京都など22都府県で増加した。19府県で減少、6道県で前年同月比変わらずだった。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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