【銘柄診断】新日本製薬は戻り試す、22年9月期減益予想だが上振れの可能性

2022年7月5日 08:52

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

新日本製薬<4931>(東1)はシンプルスキンケアブランド「パーフェクトワン」化粧品の通信販売を主力としている。22年9月期は中期経営計画の初年度で積極的な先行投資を実行するため減益予想としている。ただし保守的だろう。

新日本製薬<4931>(東1)はシンプルスキンケアブランド「パーフェクトワン」化粧品の通信販売を主力としている。22年9月期は中期経営計画の初年度で積極的な先行投資を実行するため減益予想としている。ただし保守的だろう。[写真拡大]

【日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部】

 新日本製薬<4931>(東1)はシンプルスキンケアブランド「パーフェクトワン」化粧品の通信販売を主力としている。22年9月期は中期経営計画の初年度で積極的な先行投資を実行するため減益予想としている。ただし保守的だろう。第2四半期累計の進捗率が順調であり、通期予想は上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は安値圏でのモミ合いから上放れの動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。

■シンプルスキンケアブランド「パーフェクトワン」化粧品の通販が主力

 シンプルスキンケアブランド「パーフェクトワン」化粧品を主力とするファブレスメーカーである。オールインワン美容液ジェルシリーズはオールインワンスキンケア市場における国内売上NO.1商品である。

 なお22年6月には「パーフェクトワンフォーカス」が、本音のコスメ批評誌「LDK the Beauty」2022年8月号においてクレンジング部門2022年上半期ベストコスメを獲得し、4冠を達成したと発表している。

 21年9月期の売上高構成比は、商品別では化粧品が93%、ヘルスケア商品(健康食品・医薬品)が7%、販売チャンネル別では通信販売(EC含む)が91%、直営店舗販売・卸売販売が6%、海外が3%だった。

 通信販売チャネルの販売力を活かすために、テストマーケティングにおいて新商品のヒットの兆しが見えた瞬間に広告投資を集中投下することで、短期間で一気に市場シェアを獲得することを基本戦略としている。広告投資が先行するが、新規顧客獲得によって売上拡大基盤構築後は、定期継続購入による安定的なストック収益モデルとなる。

 長期ビジョンでは目標値に2030年売上高1000億円、経常利益率15%を掲げている。そして中期経営計画「VISION2025」では、目標値に25年9月期売上高500億円(化粧品400億円レベル、ヘルスケア100億円レベル)、経常利益率8.5%を掲げている。長期ビジョン達成に向けた収益基盤構築ステージと位置付け、通常のマーケティング投資に加えて、育成ブランドや新規事業への攻めの成長投資を実行する方針だ。

 なお22年6月30日付で食材の輸入・製造・販売を展開するフラット・クラフトの全株式を取得して子会社化した。これに伴って21年9月期第3四半期から連結決算に移行した。

■22年9月期減益予想だが保守的

 22年9月期連結業績(収益認識基準適用のため前期比増減率は非掲載)予想は、売上高が370億円、営業利益が30億95百万円、経常利益が30億20百万円、親会社株主帰属当期純利益が20億67百万円としている。

 新収益認識基準を適用した21年9月期との比較で、売上高は8.1%増収、営業利益は9.6%減益、経常利益は11.5%減益、そして親会社株主帰属当期純利益は10.8%減益の予想としている。なお収益認識基準適用による営業利益への影響はないとしている。

 売上高計画は、商品別には化粧品が7.2%増の341億25百万円、ヘルスケアが20.1%増の28億74百万円、チャネル別には通信販売が6.2%増の332億21百万円、直営店舗・卸売販売が38.1%増の28億23百万円、海外販売が4.3%増の9億54百万円、また国内外EC売上は19.9%増の49億80百万円としている。

 第2四半期累計は、売上高が180億01百万円、営業利益が16億75百万円、経常利益が16億94百万円、親会社株主帰属四半期純利益が11億37百万円だった。新収益認識基準を適用した前年同期との比較で売上高は7.4%増収、営業利益は19.8%増益だった。

 パーフェクトワンフォーカスの新商品投入などで新規顧客獲得が好調に推移し、リピート顧客の単価上昇も寄与して通信販売が増収を牽引した。コスト面では販売促進費などが増加したが、増収効果で吸収して大幅営業増益だった。

 通期予想は据え置いている。パーフェクトワンフォーカスやヘルスケア事業の拡大などで増収だが、クッションファンデーションやFun and Healthのマーケティング投資強化など、中期経営計画の初年度で積極的な先行投資を実行するため減益予想としている。

 ただし保守的だろう。第2四半期累計の進捗率は売上高が48.9%、営業利益が54.1%と順調であり、通期予想は上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は安値圏でのモミ合いから上放れの動きを強めている。週足チャートで見ると支持線となった26週移動平均線が上向きに転じてきた。基調転換して戻りを試す展開を期待したい。7月1日の終値は1591円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS96円60銭で算出)は約16倍、時価総額は約348億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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