企画展「ミニマル/コンセプチュアル」DIC川村記念美術館で

2021年9月3日 17:22

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記事提供元:ファッションプレス

 企画展「ミニマル/コンセプチュアル:ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960-70年代美術」が、千葉のDIC川村記念美術館にて、2021年10月9日(土)から2022年1月10日(月・祝)まで開催される。その後、愛知県美術館、兵庫県立美術館に巡回する。

■ミニマル・アートとコンセプチュアル・アートを中心に紹介

 ドイツのデュッセルドルフで1967年にギャラリーをオープンしたコンラート・フィッシャーは、同時代の新しい芸術動向をいち早く紹介し、ミニマル・アートとコンセプチュアル・アートの国際的な展開において重要な役割を担った。

 本展では、フィッシャー夫妻のコレクションを所蔵するノルトライン゠ヴェストファーレン州立美術の協力のもと、1960年代から70年代のアメリカとヨーロッパにおける、ミニマル・アートとコンセプチュアル・ アートを中心とした作品など約100点を紹介する。

 ミニマル・アートは、1960年代に主にアメリカで興った美術潮流だ。その特徴には、レンガや金属板、蛍光灯などの工業用素材や既製品の使用と、正方形や立方体といった単純で幾何学的な形態やその反復に基づく構造が挙げられる。作品からは作家の感情などを排することで、その物質性が前景化されることになる。

 一方でコンセプチュアル・アートは、ミニマル・アートに続いて登場し、同時代的に展開。芸術の要素として、実際の制作物よりもアイディアやコンセプトを重要視するものであり、表現媒体にも、言葉をはじめ、写真、映像、印刷物、日用品、自然物、そして作家自身の身体などが多岐にわたって使用された。

 コンラート・フィッシャーの画廊は、こうした新しい美術動向を紹介する国際的な拠点のひとつとなった。フィッシャーは、完成した作品を海外から輸送するよりも、作家本人をデュッセルドルフに招いて現地で作品を制作したり、作家による指示書に基づいて展示設営を行ったりと、斬新なプロセスで展覧会を手がけたのだった。

 本展では、ソル・ルウィットやロバート・ライマン、ダン・フレイヴィン、河原温、ダニエル・ビュレンなど、1960年代から70年代のミニマル・アートとコンセプチュアル・アートを中心とした作品に加えて、その生成をひもとく資料も紹介。さらに、国内所蔵の主要作品も展示し、今日の美術にも大きな影響を及ぼしたこれらの芸術動向を再考する。

■展覧会概要

 企画展「ミニマル/コンセプチュアル:ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960-70年代美術」
会期:2021年10月9日(土)〜2022年1月10日(月・祝)
会場:DIC川村記念美術館
住所:千葉県佐倉市坂戸631
開館時間:10:30〜16:00(入館は15:30まで)
休館日:月曜日(1月3日(月)・10日(月・祝)は開館)、12月25日(土)〜1月1日(土)
入館料:一般 1,300円、学生・65歳以上 1,100円、小中学生・高校生 600円
※事前予約制

■出品作家(予定)

カール・アンドレ、リチャード・アートシュワーガー、ローター・バウムガルテン、ベルント&ヒラ・ベッヒャー、マルセル・ブロータース、スタンリー・ブラウン、ダニエル・ビュレン、ハンネ・ダルボーフェン、ヤン・ディベッツ、ダン・フレイヴィン、ギルバート&ジョージ、河原温、ソル・ルウィット、リチャード・ロング、ブルース・ナウマン、ブリンキー・パレルモ、ゲルハルト・リヒター、ロバート・ライマン

■巡回情報

・愛知県美術館
会期:2022年1月22日(土)〜3月13日(日)
住所:愛知県名古屋市東区東桜1-13-2
・兵庫県立美術館
会期:2022年3月26日(土)〜5月29日(日)
住所:兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1(HAT神戸内)

【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)

※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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