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量子コンピュータがビットコインを暴落させる? 千載一遇の買いタイミングとなる理由
7月27日、いよいよ量子コンピュータが国内でその姿を現した。国内初の快挙を遂げたのは、ゲート型商用量子コンピューティング・システム「IBM Quantum System One」で、東京大学とIBMによって新川崎・創造のもり かわさき新産業創造センターで始動した。量子コンピュータの活用方法については、まだ具体策を探っている状態だが、今回の試みは量子コンピュータの実装例として試金石となるだろう。
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IBMの16量子ビットの量子コンピュータだが、計算力でスパコンの9000兆倍、5Gベースのインターネットシステムのデータ送信能力をフル活用できるポテンシャルを発揮する。例えば、無人の自動運転システムやAI型ロボットに実装させることで、これまで達成できなかった理想的な働きを実現させると言うのだ。
では、なにかと将来性を揶揄されるビットコインについてはどうだろう。ここで、量子コンピュータによってどのような影響を受けるかを考えてみたい。
ビットコインの最も深刻な問題として、マイニングに膨大な電力消費が伴うという事情がある。これを危惧して、ビットコイン推進派のイーロン・マスク氏が『ビットコインが脱炭素に支障を及ぼすのは好ましくない』と発言した。
英ケンブリッジ大学の研究では、現時点でビットコインのマイニングによる消費電力は、128テラワット/hを超える可能性を示唆している。この消費量は地球上の電力生産量の0.6%、2019年度にGoogle消費した電力量12.2テラワット/hの10倍に及ぶ。
この問題を解決し得るのが量子コンピュータだ。計算力がスパコンの9000兆倍とあれば、ビットコインの難解なアルゴリズムを解くのに大したパワーを必要としない。なお、超電導量子コンピューティングシステムを利用することで、スーパーコンピュータの100分の1程度の節電も期待できるという。
もちろん、現時点で量子コンピュータがマイニングに利用できるか否かは定かではない。消費電力がどの程度節約できるかも実践次第だろう。だが技術進歩は目覚ましく、数年後には具体的な回答が得られるはずだ。たとえ現時点で技術的障害があったとしても、早々に問題解決がなされると期待できる。
また、量子コンピュータの優れた計算力によって、現存の暗号キーは丸裸になるとの危惧もある。これも発想の展開で対応可能だ。暗号キーを量子コンピュータで管理させれば良いだろう。東芝が理論上ハッキング不可能な暗号キーの開発にほぼ成功しているという。なお、暗号通貨の開発側でも、すでに暗号キーの改良に余念がなく、量子暗号通信技術をベースにシステム強化を図るのは間違いのないところだ。
このように、量子コンピュータの普及によっては、ビットコインをはじめとする暗号通貨の流通に拍車がかかる可能性がある。現時点で、経済アナリストの多くが『2026年ごろには量子コンピュータによってビットコインの価値は暴落する』と述べている。その可能性は大いにあるが、もしそうなったとして、その後の暗号通貨の将来性を考えれば、その時こそ『千載一遇の買いタイミング』だと言えないだろうか。(記事:TO・記事一覧を見る)
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