ビューティガレージの好収益で改めて痛感した、EC化の時代

2021年9月2日 16:11

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5月にリニューアルオープンした「ビューティガレージ EXPRESSストア 渋谷」。(画像: )

5月にリニューアルオープンした「ビューティガレージ EXPRESSストア 渋谷」。(画像: )[写真拡大]

 ビューティガレージ(東証1部)の収益が好調だと、耳にした。HPのIRコーナーを覗くと事実、前2021年4月期は「24.6%の増収、37.1%の営業増益、4円増配の14円配」。そして今期も、「17.7%の増収(230億6100万円)、30.0%の営業増益(13億100万円)、2円増配16円配」計画。

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 ビューティガレージは03年に現CEOの野村秀揮氏とCOOの供田修一氏により設立(13年に上場、16年に1部に移行)された、いわゆるBtoB事業を展開する企業。(中古)理美容機器の販売・買い取りでスタートした。

 前期実績・今期計画を確認しながらも「?」を覚えたのは、理容・美容業界とも「密」が懸念される業態。「好調」と教えてくれたアナリストにその旨を伝えると、返ってきた答えは「じゃ、あなたはこの間床屋に行っていないのか」だった。確かに月1回ペースで通っている。

 だが通う理髪店では通常は「カット・シャンプー・髭剃り」が3点セットだが、昨年以降は「密回避の為に髯すりはご容赦を」という状態。多少の影響は出て然るべきかと思いつつ、ビューティガレージの前期の決算内容をセクター別にチェックしてみた。

■物販事業: 「19年4月期比30.0%増の売上高155億5916万円(総売上高比率79.4%)、セグメント利益27.6%増7億8080万円(78%)」。増勢をビューティガレージでは「理美容室やエステサロンなど対象業界で遅れていたデジタル化が新型コロナウイルス拡大の中で促進された。結果、EC売上高が前年度比3割伸び物販売上高の構成比で78.2%に達した」としている。

 つまり、こう理解すればよい。理美容室向け商品は未だ、ディーラーが直接搬送するケースが多い。が、コロナ禍で非接触・非対面が必須になった。ECを推し進めていた同社にとってはフォローの風になった。

■店舗設計事業:「4.5%増の売上高33億9171万円(17.3%)、12.0%増の2億1361万円(21.3%)」。「上半期は新型コロナウイルスの影響で新規出店の中止・延期が相次いだが、下半期は前の年度を上回るペースで回復。第4四半期は過去最高の売上高となった」。

 更に今後についても、こう言い切っている。「理美容業界に対する新型コロナウイルスの影響が見込まれ、厳しい状況は変わらない。だが一方で一段のデジタル化の促進が見込まれ、当社としては成長を大きく加速させる好機になると考えている。BtoB理美容業界向けECプラットフォーマーとして圧倒的な地位を確立することで、25年4月期までに国内の理美容ディーラートップの地位を確立することを目指す」。

 自身の思い込み(一方的見方)だけに囚われることで、企業収益を見誤ってしまいかねない懸念を痛感させられた。が、それにしても産業界におけるEC化の進捗にはすさまじさを禁じ得ない。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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