地球外生命体の検出に有効なロジックを開発 グラスゴー大学の研究

2021年6月3日 09:06

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 これまで世界中の科学者たちが血眼になり、地球外生命体をあらゆる場所にフォーカスして探索を続けてきたが、いまだにその確固たる証拠を見出すには至っていない。その理由は、生命がどんな場所でも簡単に生息できるわけではなく、非常に幸運な条件がそろった場合にのみ生息できるからであろう。

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 この事実に加えて、生命の検出のために画期的かつ確実なロジックが存在していない。例えば火星探査において、どんなサンプルを見つければ生命存在の確実な証拠になるのかという道筋すら明確でないために、地球型生命体の特長に一致するサンプル以外に生命を見出すすべを人類は持たないためだ。

 この宇宙には様々な生命体のバリエーションが存在しても何ら不思議はない。たまたま地球に誕生した生命体が、人類が既知の化合物が構成要素となっているだけで、全く異なる化合物を構成要素とする生命体が宇宙に存在していたとしても、人類はそれを見つけることは今のところ不可能である。

 だが、このようなジレンマから脱出できるかもしれないロジックが、グラスゴー大学の研究者らにより考案され、国際的な自然科学論文雑誌であるNature Communications でその研究成果が公表された。

 研究では、分子集合指数 (MA) と呼ばれる、分子の複雑さの尺度を用いて、あらゆる化合物の複雑さを数値化していく。するとこのMAがあるしきい値を超えるような複雑な構造の化合物は、生命反応なしには合成しえないという事実が見出されたという。今回開発されたMA計算アルゴリズムを用いれば、宇宙で検出されるあらゆる化合物に対してMA値を求めることにより、その分子が生命由来のものなのかそうでないのかが確実に判断できるという。

 この研究で見出された非常に重要な結論は、生物系と非生物系は、信頼性が高く検出可能な存在量で非常に複雑な分子構造を組み立てることができる程度(つまりMAなる尺度)によって、区別されるという事実であり、それが地球上においても地球外においても適用可能であるということである。このロジックを用いて、これまでに発見された数多くの地球外惑星における様々な化合物の痕跡を調べていくことで、近い将来、地球外生命体発見のスクープがアナウンスされる日が来るかもしれない。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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