豪の利上げはいつ? まだ時間必要か

2021年5月25日 16:55

印刷

●豪ドル高は続くが…

 新型コロナウイルスの抑え込みに成功していると言われているオーストラリアは、豪ドル高が続いている。昨年のコロナショック時には一時、1豪ドル=60円を割り込んだこともあったが、現在は85円近辺の高値で推移している。

【こちらも】ビットコイン急落で株式市場も調整相場入りか?

 カナダは先日テーパリングを明言したが、次はオーストラリアではないかという予想が多い。

 5月20日に発表した4月の雇用統計でも、失業率の改善が見られており、昨年ロックダウンの影響で7.4%まで悪化したが、5.5%まで改善している。

 昨年にはマイナス金利の可能性までささやかれたが、一転して利上げの議論へと進むのか?

●利上げは早くて24年?

 豪中銀は2月2日の理事会で、4月中旬に終了するはずだった緩和策の延長を決めた。この時は、テーパリングへの観測が外れ、一時豪ドルが売られた。

 この時に、利上げは早くて2024年と表明してけん制したが、豪ドル高はその後も続いていることから、ユーロなどに比べて上昇余地があるという見方が強い。

 カナダに続き、出口戦略に近い国という位置づけは変わっていない。

●利上げのタイミング

 雇用が改善したと言っても、豪中銀目標の4.5%までまだまだ遠い。

 インフレ率も2-3%の目標値に持続的に収まるまで、利上げはしないとしている。現在は1.2%で最低水準となっている。いくら雇用が改善しても、賃金上昇率がまだまだ追いつかない。

 豪中銀はさらなる緩和も示唆しているが、すでに経済対策規模はGDP比約15%にも及び、中央銀行の資産も2020年以前と比べ倍近く膨らんでいる。

 先日、米国ではインフレが進み、長期金利の上昇・株安という現象があった。米国は新型コロナウイルスへのワクチン接種による経済再開への期待と同時に、テーパリングが意識されたことが背景にあった。

 それに比べれば豪経済は、インフレ率という面で後れを取っており、経済回復が遅れるという見方もある。豪ドル高は当面続くだろうが、それがテーパリング・利上げには簡単にはつながらないだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

関連キーワードオーストラリア雇用統計新型コロナウイルス

関連記事