女性による女性のための「特異製品」を開発するグラフィコへの期待

2021年3月3日 16:46

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2月に発売した「オキシクリーンEX 500g」(画像: グラフィコの発表資料より)

2月に発売した「オキシクリーンEX 500g」(画像: グラフィコの発表資料より)[写真拡大]

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 グラフィコ。昨年9月24日にジャスダック市場に上場した。後述するがその絞り込んだ商品の特性に惹かれ、調べてみることにした。そして2015年に承認も得て、機関投資家への説明も終え上場を待つばかりだったが「断腸の思いで見送った」(長谷川純代社長)という事実を知った。5年越しの上場実現、おおいなる関心を覚えた。

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 グラフィコは自社企画品(生産はファブレス)や海外企業との提携品を軸に、セグメントでみると女性向けの「健康食品」「化粧品」「日用雑貨」「大衆医薬品」を手掛けている。販路はドラッグストアなど。女性社員が全体の6割近く(日本企業全体では25%強に対し)を占め、商品企画を手掛ける企画本部では8割を超えている。

 大ヒット商品とし、「優月美人 よもぎ温座パット(女性のパンツに貼るカイロ):累計1425万個」「オキシクリーン 日本オリジナルタイプ(酵素系漂白剤):886万個」「フットメジ 足角質クリアハーブせっけん:760万個」などのヒット商品を送り出している。

 アナリストは「通常は生活用品や化粧品の新商品のヒット率は0.1%水準。グラフィコの場合、商品のアイテムは70しかないが100万個以上を8つのアイテムで生み出している」と、その効率経営を示す。

 では長谷川氏が「断腸の思いで上場を断念した」のは、何故か。こう振り返っている。「当時は季節性の高い商品の比率が高かった。暖冬の影響で、想定以上の返品に見舞われた。このままでは上場してもすぐに業績の下方修正の可能性が高い。投資家の方に迷惑をかけるし、企業イメージも悪くなると判断した結果」。

 上場断念と同時に、矢継ぎ早に策を講じた。主力商品を、季節性に関係ない洗剤にした。そして洗剤は返品不可にして販売店に卸す仕組みに変えた。一方で「確実に売れる(洗剤)商品を卸す」ためにマーケティングに注力した。

 また、消費者の購買状況をリアルタイムで把握できるシステムを導入した。「商品は問屋に卸してしまうと、その先(売れているのかどうか)が把握しづらい。それを自社でも共有できるようにする」ためだった。

 上場を市場は好感して迎えた。公開公募価格4090円に対し9月24日の初値は9560円、約2.3倍。直後に1万500円まで買い進まれ、目下は利食い先行売り場面。株価の今後は市場が決めるだろうが、同社に課題があることも事実。「洗剤シフト」で、オキシクリーンシリーズが売上高の6割を占めている。ビジネスの性格上、EC化率の向上が喫緊の課題でもある。

 だが長谷川氏には「働き者」である、上州女気質を遺憾なく発揮してほしい。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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