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神戸大学出身の若き女性起業家が登場した。平岡史衣(ふみえ)氏。大阪市に立ち上げた、2019年9月に個人事業としてスタート、昨年9月に法人化したアンコールプロダクションの創業者社長である。64歳から90歳までの約50人が所属する、一口で言えば「シルバー芸能プロダクション」である。
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平岡氏は大学を卒業後、大手病院の整形外科の社員看護師に身を投じた。この時の「原体験」が起業の引き金となった。平岡氏は「高齢の入院患者が『生きていても楽しくない』と口にするのを耳にし、心を痛めていた。だんだんと、高齢者が幾つになっても活躍でき、『生き甲斐』を持って暮らせる世の中にしたいと思い考えるようになっていった」。
平岡氏は、いわば市場リサーチにも取り組んだ。夜勤明けの日などひと眠りした後、町にでかけ高齢者に声をかけた。「どういう人生を歩んできたのか」「人生の先輩として若者へのアドバイスは」、そして必ず「生き甲斐はなにか」と。機会を重ねるにつれて「生き甲斐がない」という老齢層が多いことに気づいた。病院での原体験が「普遍的な問題」として、肩に重くのしかかっていった。
退職。個人事業としてまずは、病院や町で耳にした「声」をインスタグラムにのせることから始めた。周知の通りインスタグラムにのせることは、耳・目にした人からファイスブックなど広くSNSに拡散する。
「同じ思いを抱いている人が少なくない」ことは、平岡氏の背中を押した。より広範囲に伝えたいと、『日本を救う!おじいちゃん・おばあちゃんが活き活きと踊りだすオリジナルプロモーションビデを作る』と訴えて、クラウドファンディングで資金調達をしたこともある。
多々耳にした高齢者の「声」、SNSを介した同調者の「思い」、クラウドファンディングを介した広範な「賛同」があり。起業家:平岡氏は誕生した。
タレントは「いまでは知人が面白い人がいるよと紹介してくれたり、私が開催している高齢者向けスマホ口座で参加者の中からスカウトしたりと様々」とか。
ただ「芸能プロダクション」と称していても「適切な言葉がなかった」からで、原則は、モデル(としてメディアに登場しているタレントもいるが)・俳優・芸人などを紹介・派遣するわけではい。
「自分にはなんのスキルもないというおばあちゃんの、主婦歴60年は立派なスキル・経験。それをどう活かすかが私の仕事」と言う。具体的には例えば、主婦歴60年の経験や人生経験を伝える語り部としての講演活動。依頼が時間の経過とともに増えていると言う。
ちなみに登録している高齢者タレントには車椅子が不可欠な要介護の人や、認知症を患っている人もいると言う。若き女性起業家にエールを贈りたい。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
関連キーワード認知症、高齢者、クラウドファンディング
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