5Gの次の未来はもう始まっている! 阪大とロームが「6G」の実現に大きな1歩踏み出す

2021年2月21日 17:27

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記事提供元:エコノミックニュース

今はまだ、夢の通信システムでしかないこの6Gの実現に向けて、世界中の技術者や研究者がしのぎを削る中、日本の研究者が画期的な成功を発表した

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 第5世代移動通信システム「5G」の商用サービスが開始されてから、およそ1年が経とうとしている。高速、大容量、低遅延、多数端末接続というハイスペックを特長とする5Gは、運用開始前から、社会課題の解決や産業創出を担う新たな手段として大きな注目を集めていた。

 現在はまだ5Gを利用できるエリアが都心部や特定の地区に限定されていることや、コロナ禍に話題が集中していることなどもあって、当初の予想よりは大人しいスタートとなった印象がある。本格的な普及はこれからだろう。

 個人レベルでの5G活用は、スマホやタブレットなどのモバイル機器でも、映画を数秒でダウンロードできるといった些細なものだが、社会システム全体でみると、移動通信システムの発展がにもたらす恩恵は計り知れない。例えば、自動運転化が進んでいる自動車や、産業分野での導入が加速しているロボットには、超高速、大容量、そして遠隔地でもほぼ遅延なく操作でできる通信システムは欠かせない。また、

 スマートホームやスマートシティの実現にも、多数のセンサデータを収集することでを実現できる多数同時接続は必要不可欠となる。5Gを活用することで、さらに快適で、安全、安心な暮らしがもたらされるのだ。

 ところが5Gの運用が始まったばかりの中、さらに先の将来の移動通信システムを見越したBeyond5G、いわゆる「6G」の研究開発が活発化しているという。

 5Gは確かに優れた通信システムだが、例えば、すでに実用放送が始まっている8Kスーパーハイビジョンなどの膨大なデータ量を有する超高精細映像をマイクロ波もしくはミリ波で無線伝送しようとする際にはデータ圧縮する必要があり、それに伴う遅延や消費電力の増大が課題になっている。この課題を解決し、超高精細映像を非圧縮、低消費電力、しかもリアルタイムで無線伝送できる技術が「6G」なのだ。

 今はまだ、夢の通信システムでしかないこの6Gの実現に向けて、世界中の技術者や研究者がしのぎを削る中、日本の研究者が画期的な成功を発表した。

 大阪大学大学院基礎工学研究科の冨士田誠之准教授を中心とした教授・院生・学部生らの研究グループが、ローム株式会社と共同で進めていた研究において、非圧縮フル解像度8K映像の無線伝送に世界で初めて成功したのだ。この研究は、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業チーム型研究(CREST)の支援を受けており、2月初旬に行われたJST-CREST 3領域合同シンポジウムで発表されたほか、3月には電子情報通信学会総合大会の企画セッションでも報告されるという。

 大阪大学の研究グループは、従来のマイクロ波やミリ波では不可能な広い帯域を利用できる可能性がある300ギガヘルツ帯のテラヘルツ波にかねてより着目。これまでテラヘルツ波を発生させるためには大型のシステムが必要であったが、電子部品メーカーのロームが所有する超小型「テラヘルツ波 共鳴トンネルダイオード」を用いることで、小型化・低消費電力化が可能となった。今回は、データレート48ギガビット毎秒の非圧縮8K映像信号を2チャンネルのテラヘルツ波で伝送するシステムを構築し、その広帯域性を活かし、シンプルなオンオフ変調方式によって、8K映像の無線伝送に成功した。本成果はテラヘルツ波の有用性を示す成果として、世界的にも大きな注目を集めており、今後、Beyond5Gから6Gへの実現に向けた研究開発の動きがさらに加速しそうだ。近い将来に実用化されれば、遠隔医療やテレワークなどの質の向上をはじめ、超高精細映像のビッグデータを利活用したフィジカル・サイバー融合の高度化にもつながっていくだろう。今後の展開に大いに期待したい。(編集担当:藤原伊織)

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