関連記事
上場早々に2桁増収増益、配当性向35%超目標明示のタスキはどんな会社か
キッズガーデン北区滝野川(画像: タスキの発表資料より)[写真拡大]
昨年10月6日に東証マザーズ市場に上場した企業に、タスキがある。新日本土地建物グループの不動産仲介・流通事業から派生したという氏素性があっても、余程唸らされるものがなければ上場新参組には関心を寄せない。だが「お主、なかなかにユニークよな」と直感した。業態は後述するが、「ユニーク」と感じたのは以下のような点である。
【こちらも】若き女性が起業した、「シニア芸能プロダクション」にエールを!
公開直後の11月に開示のタイミングを迎えた2020年9月期は、「37.3%増収、36.6%営業増益、49.3%最終増益」。上々のスタートもさることながら、早々に26円配を実施したのである。かつ「配当性向35%超が基準」と言ってのけた。
増収増益率もさることながら、「35%超」という配当性向基準は容易に口にできるものではない。今後とも継続したEPSの伸長を前提としなければ、しいて言えば「公約違反」と受け止められる。市場からイエローカードを突きつけられかねないからだ。
もう1点は、保有・運営する認可保育園「キッズガーデン北区滝野川」の土地・建物を対象とした、12月7日のクラウドファンディング(CF)方式による売却(資金調達/利益取得)である。第1号案件だった。タスキの業務内容からしてCFによる売却自体は当然と言えば当然ではある。
だが募集開始からわずか3分間で「予定分配金利率年10%」「運用期間130日」の条件にて、計画の2000万円を悠に超える資金の応募があったと知り驚かされた。「1口10万円から可能」「オンライン完結型」の少額不動産投資という業容参入の号砲だった。
タスキは投資用賃貸不動産(共同住宅、ホテル、保育園等々)の開発・コンサルティングを主業としている。東京23区/近場の駅から徒歩5分/いわゆるIOT案件が主力/RC工法の1棟3億円水準の物件が最多価格帯となっている。
今9月期も「28.1%増収(90億円)、34.7%営業増益(7億8000万円)、33.1%最終増益(4億4000万円)、EPS83.02円、4円増配30円配当(予想配当性向37.0%)」で立ち上がっている。
期初段階で引き渡し件数は36(前期比4件増)が計画されている。アナリストは「前期末時点で24億8500万円のフリーキャッシュフローを有しており、開発物件選別の余力はある」とする。
動向を見定めたいとしか現時点では言葉がないが、タスキ自身が「自信」を有していることは事実。中小の同業者向けに「地図上で法規制や相場などを可視化できるITサービスを開発中」と報じられている。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
スポンサードリンク
関連キーワード
スポンサードリンク
- 【QAあり】プログリット、売上高および全利益指標は2Qとして過去最高 売上・利益の好調を受け業績予想を上方修正 4/13 08:54
- シダックス、2期連続の大幅増益を達成 引き続き好調な社会サービス事業が躍進し、新規受注も過去最高に 4/11 11:28
- 三菱商事・ALSOKが1・2位大株主の日本ケアサプライ、その強さを改めて感じた 4/10 08:38
- 訪問薬局展開:HYUGA PRIMARY CAREをウオッチし続けたい理由 4/ 7 16:30
- 【QAあり】ダスキン、中期経営方針2022の目標達成に向け、電子タグやM&A等への積極投資を実行 4/ 6 09:23