NASA、シグナス補給宇宙船のISS出発映像をライブ配信へ

2021年1月1日 09:40

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シグナス補給宇宙船14号機がISSに結合されたイメージ (c) JAXA/NASA

シグナス補給宇宙船14号機がISSに結合されたイメージ (c) JAXA/NASA[写真拡大]

 NASAは12月30日、1月6日午前10時10分(米東部時間、日本時間の1月7日午前0時10分)に国際宇宙ステーション(ISS)を出発する、シグナス補給宇宙船のライブ映像を配信すると発表した。日本時間では1月6日午後11時45分から、NASAテレビやNASAライブでリアルタイム配信される予定である。

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 今回出発映像がライブ配信されるのはシグナス補給宇宙船14号機で、2020年10月3日午前10時16分(以下、日本時間)に打ち上げられ、10月5日午後6時32分にISSに到着している。14号機はクルーへの支給品、システム関連機器、実験関連機器など、約3,629kgの物資をISSへ補給した。約3カ月の滞在後、ISSからの廃棄物資などを搭載して、地球への帰路に就く予定だが、大気圏突入時に最後の任務として重要な実験を遂行後、燃え尽きる儚い運命にある。

 シグナス補給宇宙船は、初号機が2013年9月に打ち上げられた無人宇宙補給機。これまでに合計14回の打ち上げを実施、うち13回が成功しており、延べ約45トンの物資を地球からISSに送り届けている。

 無人宇宙補給機がこのように何度も繰り返しISSへの物資補給に用いられている理由は、低コストでの運用が可能だからである。初号機では輸送量は1トンに満たなかったが、現在では3トンないし4トンの物資をコンスタントに輸送している。この重量を多いと見るのか少ないと見るのかはなかなかイメージが湧きにくいのだが、私たちが普段よく見かけるコンビニへ商品を届けているトラックの積載量は3トンが主流と言われているため、それよりも一回り大きい程度の量の物資を運んでいることになる。

 シグナス補給宇宙船はいわば宇宙のコンビニ配送トラックと呼べる存在だが、運用コストはコンビニトラックの比ではないし、事故の発生率も1/14という高さだ。しかもコンビニトラックは何年間にもわたって輸送に耐えうるものだが、シグナス補給宇宙船は1度しか輸送ができない。

 とはいえ、シグナス補給宇宙船が実用化される以前はスペースシャトルでのISSへの物資補給をしていたわけで、人命が失われた悲しい歴史もあり、その当時の輸送コストと比べれば、シグナス補給宇宙船の経済性と人命を全く犠牲にしていない価値は、我々一般人にもよく理解ができるというものだ。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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