楽天と日本郵便が提携 データ活用で新たな物流プラットフォーム構築へ

2020年12月26日 12:43

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 楽天は23日、日本郵便と物流領域に関する提携を行うと発表した。楽天市場の受注データの運用ノウハウや、日本郵便の全国荷量データを活用し新たな物流プラットフォームの構築を進める。荷量が増大する中、安定した物流サービスの持続提供をはかる。

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 互いの持つデータを共有化し、デジタル技術を活用して効率的な配送システムを構築する。消費者にとって利便性の高い「受け取りサービス」の提供も検討する。共同物流網拠点や配送網の構築も行う方針だ。新会社設立も視野に入れており、2社で物流DXプラットフォームの共同事業化も行う考えだ。

 プラットフォームには他のEコマース事業者や物流事業者も呼び込む。2社間のサービスに留めず、国内の物流環境全体に変革を起こす方針だ。楽天は「国内の物流環境の健全化と持続可能な社会の実現に貢献することを目指す」としている。

 楽天は「楽天市場」での需要予測や、物流領域における受注データの運用に知見がある。日本郵便は、全国に広がる物流網を有しており、膨大な荷量とそのデータを保持する。両者のノウハウやデータをかけ合わせれば、多大な付加価値が生まれる可能性がある。

 楽天と日本郵便はこれまでも協業し、楽天運営の物流センターからの配送などを手掛けてきた。楽天市場出店店舗への特別運賃も提供し、不在配達削減に向けた取り組みも実施してきた。今後は戦略的提携を締結することで連携を強化する。

 楽天は、楽天市場をはじめ、楽天銀行や楽天証券、楽天モバイルなど様々なサービスを提供している。国内で1憶以上の会員が1つの楽天IDでエコシステム内の多種サービスを利用する。これによって膨大な会員の売買データが集積。年齢、性別、消費の嗜好などデータ解析を行っている。

 尚、同社の2020年第3四半期の業績は好調で、グローバル流通総額は前年同期比15.2%アップし5.5億円。国内EC流通総額は同11.7%増の1.1兆円。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

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