決算数字を分析しても出て来ない、トヨタの強さの源泉は「現場力」? (1)

2020年11月20日 08:37

小

中

大

印刷

(c) 123rf

(c) 123rf[写真拡大]

写真の拡大

 まず、Motor-Fan.jp『トヨタグループの底力:トヨタと他の赤字自動車会社とではどこが違ったのか? 危機対応能力の高さを支えている背景を分析する』を読んでほしい。そして、いつも精緻な記事を書く牧野茂雄氏に敬意を表す。

【こちらも】トヨタの勢いが止まらない 9月生産台数、プラスに転じる 新車投入の成果か?

 この記事で牧野氏が評した、現在のトヨタの強さは❝これはトヨタ自動車だけの「強さ」ではない❞とする意見には全面的に賛成だ。それは当然で、それが「日本の下請け制度」の強さであり矛盾を秘めた組織でもある。サプライヤーを開発段階から含めて設計から進めていく現在のやり方がすべてを表している。すなわち、サプライヤーもメーカーの1員であるとの感覚だ。

 その中で、トヨタの業績の数字分析は根気がいる仕事であり、牧野氏の知見の広さと深さを表しており、尊敬するものだ。しかしながら、決算数字を分析して、結論としてトヨタの強さの原因に行きつけるとは到底思えない。「結果として強かった」と言った分析で終わる。

 決算分析はある時点での結果の数字で、何期かの数字の流れを見て、実際の現場の仕事の動きを捉えないと、数字と施策との繋がりが見えてこないのだ。開発・営業・資材・経理・人事・製造・生産・建設・不動産など、全てに精通していることはだれにとっても不可能だ。

 そのためどれほど高学歴の経営者でも、企業経営経験豊富でも、経営の方向性を間違えることが起きる。

 この記事の2/2で牧野氏が結論として述べている部分では、「トヨタの強さのメカニズム」に到達できているとの解釈は難しい。

 ❝日本の「ものづくり」は、かつて礼賛されたほどの優位性をすでに持たない。欧米勢の追い上げはすさまじく、すでに日本が「負け」の領域も少なくない。それを知らないのは現場を見ない経営陣だけだ。日本は相変わらず「現場力」だけで耐えている。❞と牧野氏はしているが、「日本のものづくり」が「かつての優位性を持っていない」ことには同感だ。そこが、現在の日本経済が伸び悩む原点であると考えている。切り札がないのだ。

 「トヨタかんばん方式」が「資金効率を1000倍伸ばした」と言っても過言ではないのだが、それがデータに現れるわけでもなく、結果として決算内容が良いだけだ。現在「トヨタ1強」となっていることが、現在でも「トヨタは造り方で世界をリードしている」と言える唯一の証明だ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

続きは: 決算数字を分析しても出て来ない、トヨタの強さの源泉は「現場力」? (2)

関連キーワードトヨタ自動車下請け

関連記事

広告

財経アクセスランキング

広告

写真で見るニュース

  • 画像はイメージです。
  • ボルボ「S60」(画像: ボルボ・カー・ジャパン発表資料より)
  • ミニムーン20CD3 (c)  International Gemini Observatory / NOIRLab / NSF / AURA / G. Fedorets
  • SUBARU Labが入るH¹O渋谷三丁目の共用ラウンジのイメージ(画像: SUBARU発表資料より)
  • N-BOX、N-BOXカスタム:発表資料より
  • 新型N-ONE RS(画像: 本田技研工業の発表資料より)
  • モーガン・エアロ 1922年式 (c) sawahajime
 

広告

ピックアップ 注目ニュース