JA全農と日清製粉Gが業務提携 小麦の需要拡大と安定供給目指す

2020年11月19日 11:43

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 全国農業協同組合連合会(東京都千代田区、以下全農)と日清製粉グループ本社(東京都千代田区、以下日清製粉G)は17日、業務提携したことを発表。小麦や国内畜産物の安定共有、商品原料の安定的な調達を目指す。農林中央金庫と3社で資本提携も締結し、目的達成に向けて協業する。

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 人口減少や食の多様化に加え、現在新型コロナウィルス感染拡大の影響から、主食用米需要が大きく減少している。転換作物として有望視されているのが国産小麦で、需要を拡大していく必要がある。

 全農と日清製粉Gはこれまでも、国産小麦等で取引関係にあった。今後はさらに踏み込み、需要拡大と安定供給を目指す方針だ。双方のグループ各社も含め共同で取り組みを進める。

 また、全農と農林中央金庫は日清製粉Gの発行済み株式総数の約1%にあたる普通株式を取得し、3社で資本提携を行う計画もある。

 農林水産省によると、米の1人当たり消費量は、1962年度をピークに一貫して減少している。1962年度には年間118.3キログラムだった1人当たりの消費量は、2016年には半分以下の54.4キログラムまで減少。

 日本では高齢者は主食に米を選択するが、若年層はパンや麺類への依存度が高くなっている。そのため世代交代によって、米の需要量が減少している。また、人口構成もこれに拍車をかける。若年層が減り高齢者の比率が高まれば、国民1人当たりの平均摂取カロリーが減る。人口減少でそもそもの消費人口も右肩下がりだ。

 一方、小麦の1人当たり消費量は高度成長期に増加、1967年に年間32キログラムに達し、以降安定的に推移している。だが、これまでは国産小麦の供給先はうどんがメインだった。日本で開発された小麦銘柄の品質が、海外産と同等の評価を得られなかったことが要因だ。

 近年は海外産と遜色ない品質の銘柄が誕生し、パンや中華麺などへの利用が徐々に広がっている。安全志向の高まりから、国産小麦を選択する消費者が増えていることも背景にある。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

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