映画館やホテル・旅館で景況感が底打ち傾向 日本公庫調査

2020年11月7日 17:05

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 日本政策金融公庫の調査によると、生活衛生関係の企業で業況判断DIを始め、各種の景気動向数値で底打ちを示しているものの、依然として厳しい状況が続いていることが分かった。

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■業況判断DIが大幅に改善

 6日、日本政策金融公庫が2020年7~9月期の生活衛生関係営業の景気動向等調査結果を発表した。これは飲食業や理・美容業など3,290社を対象として売上動向などを訪問調査したもので、回答の得られた3,147社分を集計している。

 業況が「好転した」と答えた企業の割合から、「悪化した」と答えた企業の割合を引いた業況判断DI(動向指数)は-61.8。大きなマイナスが続いているものの、4~6月期の-87.4からは26.5ポイント改善した。また10~12月期の見通しは-50.0で11.8ポイント改善するとしている。

■映画館やホテル・旅館が大きく改善

 業種別の業況判断DIでは、食肉・食鶏肉販売業が-46.2、映画館が-42.6、公衆浴場が-50.0と、平均よりも改善がみられる。特に映画館は4~6月期の-98.2から大幅に改善、映画館ほどではないもののホテル・旅館も4~6月期の-96.3から-59.8と改善している。一方、クリーニング業のみが4~6月期の-74.1から-84.0と悪化した。

 10~12月期の見通しは、食肉・食鶏肉販売業が-28.2、映画館が-29.5、クリーニング業でも-58.8など多くの業種でさらに改善傾向を示しているが、氷雪販売業のみが4~6月期の-67.3から横ばいに留まっている。

■売上DIと採算DIの改善は小さ目

 売上DIは-79.1で、4~6月期の-85.2から6.1ポイント改善した。業況判断DIと同様、底打ちの傾向を示しており、10~12月期の見通しは-68.4と10.7ポイント改善するとみている。

 業種別では多くの業種で改善しているものの、映画館が-96.7(4~7月期:-100.0、以下同じ)、ホテル・旅館業が-88.1(-93.5)と改善の傾向が小さ目で、氷雪販売業が-94.5(変わらず)、公衆浴場が-57.0(-55.4)、クリーニング業が-82.4(-80.7)と横ばいや悪化している。

 採算DIは-60.2で4~6月期の-73.4から6.8ポイント改善した。業種別では食肉・食鶏肉販売業が-28.2(4~7月期:-47.5、以下同じ)、理容業が-39.5(-52.0)、美容業が-47.8(-68.9)と改善している一方、公衆浴場が-37.7(-33.9)、クリーニング業が-66.8(-49.8)と悪化している。

 また利用客数DIは-82.6で、4~6月期の-88.2から5.6ポイント、客単価DIは-40.8で同-54.0から13.2ポイント改善している。

■空調を中心に設備投資企業が増加

 設備投資を行った企業の割合は20.7%で、4~6月期の14.3%から6.4ポイント増加するとともに、比較可能な1995年以降で最も高い水準となっている。業種別ではホテル・旅館が52.5%と最も多く、公衆浴場が37.7%、映画館が26.2%、食肉・食鶏肉販売業が24.4%と多め。

 設備投資の内容をみると、最も多かったのは空調設備で36.0%。ついで設備・機械が34.9%、店舗・事務所の修繕が24.9%、店舗・事務所の増改築・改装が18.0%、什器・備品が17.5%などとなっている。空調設備の投資は19年10~12月期から3期連続で増加しており、今期は設備・機械を上回って最も多くなっている。

■「顧客数の減少」問題が8割超

 経営上の問題点で最も多かったのは「顧客数の減少」で80.3%。ついで「客単価の低下」が25.9%、「仕入価格・人件費等の上昇を価格に転嫁困難」が15.1%、「店舗施設の狭隘・老朽化」が14.0%、「従業員の確保難」が7.1%となっている。

 「顧客数の減少」は4~6月期の81.2%からやや減少したものの、依然高い水準にある。業種別で「顧客数の減少」と答えた割合はホテル・旅館業が86.6%、映画館が85.2%、クリーニング業が85.1%、飲食業が84.0%と8割を、美容業が79.4%、理容業が77.1%、公衆浴場業が72.8%と7割を超えている。食肉・食鶏肉販売業のみ46.2%と唯一5割を下回った。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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