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近くのコンビニより遠くの支店? 三井住友銀行がコンビニATMの料金を改定
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11月2日、三井住友銀行(SMBC)はコンビニATM利用時の手数料を変更すると発表した。実施は2021年4月5日からであり、平日の日中利用は220円(現在は110円)、休日及び夜間利用は330円(同220円)へ値上げとなる。ただし毎月25・26日に限り日中利用は無料、早朝や夜間は110円となり、多くの企業の給与支給日とも重なるため、ATMの混雑を自行店舗からコンビニへと分散させるようだ。
全銀協では、給与受取口座からの払出し比率を調査しており、2019年通期では家賃やローン等の支払いは口座振替やネットバンキングが51.1%(2018年通期は49.2%)、現金引き出しが48.9%となっている。
つまり現金の扱いは減少している訳だが、SMBCでは今回の料金改定理由として、キャッシュレスニーズの高まりや現金の利用機会の減少も挙げている。
金融情勢や利用実態を反映しているとはいえ、25・26日以外の手数料は一気に倍となり、さらにメガバンクの料金改定は他行へ波及する可能性が高い。収益力低下に悩む地銀等は「昨今の情勢を鑑みた料金改定」という大義名分が出来てしまうからだ。
給与支給日は毎月25日がもっとも多く、次いで15日だが、派遣社員の場合は15日を支給日(月2回の支給でも内1回は15日)としているところが多い。業界や地域によっては預金引き出しの際「近くのコンビニより遠くの支店」へと渋々出向くケースも増えるのではないか。
SMBCでは2021年4月以降に開設する新規口座について、長期間入出金がないなど一定条件により手数料を発生させると発表もしており、相次ぐ手数料改定にユーザーは困惑している。今回の発表ではネット上の反響も大きく、多くは店舗型銀行の利用価値を疑問視する声や、ネット銀行へのシフトを勧めるものとなっている。
個人預金者が他行へ流出することも十分あり得るが、口座や現金、ATMの維持管理コストを考えると採算は合うのかもしれない。(記事:坂根豊志・記事一覧を見る)
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