ホンダは日本企業ではなくなった? 基幹部品の共通化でGMと包括提携に踏み込む

2020年9月19日 09:00

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 ホンダと米GM(ゼネラル・モーターズ)は、これまで次世代技術分野(自動運転分野・電気自動車(EV))で共同開発を推し進めてきた。それは開発投資が大幅に増えている昨今、1社では賄えない状態を打開するためだった。

 ホンダとGMの19年度の世界販売台数を合算すると1300万台の規模となり、ドイツ・フォルクスワーゲン(VW)、日本・トヨタを超える。しかし、最近の売上高営業利益率で見ると、ホンダの四輪部門は1.5%と、高収益の二輪部門13.9%に比べ低迷していた。

 その原因は、グローバル発注などにより社内開発努力を軽視するなど、ホンダの真骨頂である開発能力を削いでしまっていることであると考えられる。さらには、トヨタ・TNGAのような総合的な生産性向上努力を進めてきておらず、品質管理技術的に見てもフィットのリコール頻発など情けない状態が続いている。

 今回のGMとの提携では、プラットフォームの共通化など本格的に生産性向上努力を両社で行っていくようだ。これは包括的提携と見てよい状態で、ルノー・日産・三菱の3社提携と同レベルの作業を必要とする。

 資本関係の調整なくして、こうした提携が成功するとは思えない。ルノー・日産・三菱の協定でも大幅に遅れており、トヨタには大きく水をあけられている。トヨタのTNGAのような方向性を求めるとすると、設計、サプライヤー構築まで浸透せねばならず、「技術は買って来ればよい」とする現在のホンダ経営陣で成し遂げられるはずはない。

 GMにとっても、コロナ禍で窮地にある状態ならどの様な業績回復策も取り入れるであろうが、長期の戦略的業務提携を資本の調整なくして行うはずはない。結局、ホンダ経営陣は、現状目の前の北米市場でのコスト削減に目を奪われているのであろう。グローバル経営者とは、かなりの「近視眼」的経営感覚であることは明白だ。

 今後のインダストリー4.0に向けた生産体制の構築においては、長期的展望を持って、混流生産、順序生産、スイング生産などで世界の生産拠点を統合して管理できなければならない。ルノー・日産・三菱の3社連合では、欧州をルノー、北米を日産、東アジアを三菱と地域分けして生産、営業を行おうとしている。

 それに対して、トヨタは世界の生産拠点すべてを統合し、インドのスズキなどを加えTNGAを推し進めようとしている。これではこの先もトヨタの独走が続いてしまう懸念がある。ドイツメーカーがインダストリー4.0に熱心であるのは、対トヨタ戦略でもあるのであろう。

 ホンダの経営陣が、もう一度日本企業であることを基軸に据え、日産を吸収合併してでも「本田宗一郎」の企業理念に戻ってほしいと願うのは、非現実的なのであろうか?(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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