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トランプ大統領の公約は、強いアメリカを実現するために、アメリカ経済にとってマイナスとなりうる要素をことごとくカットする内容であった。特に法人税の減税については、高額であった35%(世界1位)から21%にまで大幅に減税され、アメリカの企業にとっては大きな追い風となったのである。
【前回は】アメリカ大統領選の行方と政策から見る株価への影響 前編
その後も公約のもと、環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱や北米自由貿易協定(NAFTA)の見直し、中国との貿易戦争も含め、アメリカにとってマイナスとなることを徹底して「deal」し、カットしてきた。確かにその度にアメリカは強さを取り戻してきたかに見えたが、パリ協定や駐留米軍の経費さえも「deal」のための材料となってしまうのであれば、ただの利己主義にもなりかねない。
そのような状況下でコロナショックが起き、トランプ政権の成果であった株価は瞬く間に暴落、失業率も急上昇した。果たして経済を最優先としてきたこれまでのトランプ政権の歩みが、本当に強いアメリカを実現するために正しいことだったのか、コロナ禍によって疑問視されるようになっているのだ。
そして、対立候補のバイデン氏は反トランプ政権を鮮明にさせるためにも、これまでのトランプ大統領の政策を否定し、方向転換せざるを得ない。つまり、トランプ大統領が重要視してきたアメリカ経済のための政策については、「支持されている内容であることを考慮しながらも」少しずつ元の位置に戻すと考えられる。
実際に、バイデン氏が掲げる政策は、「法人税率を現行の21%から28%」「富裕層への増税」「TPPへの参加支持」「パリ協定への再加入」「オバマケアの拡充」であり、あくまでもアメリカの株式市場としては、歓迎されない内容であることは間違いない。
コロナ禍において経済活動再開を優先するトランプ政権に対して、第2波の影響が懸念されている状況ではあるが、実は株式市場にとって最大のリスクはコロナウィルスではなく、トランプ政権の失墜であることは、十分に注意されたい。(記事:小林弘卓・記事一覧を見る)
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