若手女性社長が真摯に取り組む海洋散骨など「終活」

2020年4月1日 12:36

小

中

大

印刷

 昨今よく耳にする「海洋散骨」に関心を覚えた。フッと「死して海に還るのも悪くないな」と思ったのが、きっかけだった。2018年6月に啓文社書房から発行された『海へ還る 海洋散骨の手引き』という一冊を手にした。海洋散骨に興味がある方には、一読を薦めたい。

【こちらも】「終活」に便利な鎌倉新書のEC事業

 所定の手続きを経て初めて海洋散骨は可能になる。当然のこと、自分勝手になどは出来ない。著書で一般的な海洋散骨の相場を知った。「個別のチャーター舟で遺族だけで行う場合15万円から40万円」「合同散骨10万円から20万円」「専門業者に委託し代行散骨をしてもらう場合3万5000円から10万円」。いま、「それ位の金なら何とか残せるだろうから、息子に言い残しておこう」という気になっている。

 だが私がむしろこの一冊を読み最も興味を覚えたのは、四十路半ばの村田ますみさんという編者の存在だった。著書に略歴が記されていたが、同志社大学を卒業後、IT業界・生花流通業界を経て2007年に「ハウスボートクラブ」を開業している。

 クルーズ船での海洋散骨サービス(ブルーオーシャンセレモニー)を展開する急成長企業(200社超の葬儀社とネットワークを結んでいる)だ。「なんで」という素朴な疑問に村田氏は、「母親の看取り経験などから海洋散骨の事業化を・・・」としている。14年末に設立された本邦初の「日本海洋散骨協会(現在、40社近くが参加)」の立ち上げにも積極的にかかわった。

 村田氏のいわゆる「終活」に係る展開は、それだけにはとどまらない。15年2月には「ブルーオーシャンカフェ」を開設している。時まさに「終活」なる言葉が登場してきたタイミングである。業務内容はこんな具合だ。

★老後のマネープランに関する専属ファイナンシャルプランナーによるアドバイス。

★遺言書作成や相続相談、成年後見人・身元保証や死後事務委任等に関する専門家の紹介。

★死別体験者や、認知症・疾病による喪失に対するグリーフ(心の中に起こる反応)に対するケア。

★居宅介護支援や相談への対応。

★セミナー・イベントの実施。定期的なセミナーでは、例えばカフェ内に設けられた「棺体験」は定番。不定期のセミナーも積極的に展開。直近の例でいうと【自分らしい大切な人とのお別れ~メモリアル・ダイヤモンド説明会】のタイトルで、『大切な人の遺骨成分だけで、人工的にダイヤモンドができる。スイスに本社があるアルゴダンザ・ジャパンが制作するメモリアル・ダイヤモンドは・・・』云々といった具合。

 私は村田氏と直接の面識はない。知人記者から聞いたことを基に記した。が、これほど真摯に「終活」と向き合っている若手経営者がいることは、実に心強い。遠からず半蔵門線「住吉」駅近くにある、ブルーオーシャンカフェを訪れてみたい。(記事:千葉明・記事一覧を見る

関連キーワード認知症

広告

財経アクセスランキング