大阪・千日前で大規模再開発が始動 「商」「働」「泊」の複合ランドマーク整備へ

2025年8月24日 18:18

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新ランドマークとなる複合施設の完成イメージ(南海電鉄発表資料より)

新ランドマークとなる複合施設の完成イメージ(南海電鉄発表資料より)[写真拡大]

 関電不動産開発と南海電鉄、大阪メトロは、大阪ミナミの繁華街で商業施設、オフィス、ホテルで構成する複合ランドマークの整備計画を始動させた。ミナミの魅力や回遊性を高める「(仮称)難波千日前地点再開発プロジェクト」(大阪市中央区難波千日前)で、2031年の開業を目標に地域のランドマークとなる複合施設を整備する。

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 建設場所は、南海難波駅からなんさん通りをはさんで東側の約3,100平方メートル。高さ128メートルで、地下2階、地上28階建ての施設を建設し、地下2階で南海難波駅や大阪メトロなんば駅と直結する地下街の「NAMBAなんなん」に接続する。

 地下2階から地上3階は飲食、物販などの商業施設、4階から13階はオフィス、14階以上は米ハイアット・ホテルズのブティックホテル「ハイアット・セントリックなんば大阪」が関西第1号として入居する。客室数は267室。施設の建設工事着手は2027年3月を予定している。

 施設は、南海難波駅前のなんば広場や歩行者空間化されたなんさん通りと一体化し、大阪ミナミの新しいランドマークを目指す。幹線道路の御堂筋が通り、南海、大阪メトロ、阪神、近鉄、JR西日本の駅が点在してミナミの表玄関となる一帯と、アーケード街や狭い路地の中に店舗や観光施設が点在する一帯を結び、回遊性を高める拠点の役割も果たす。

 ミナミは梅田を中心としたキタと並ぶ大阪の繁華街で、食い道楽と大阪らしい景観を求めて連日、大勢の訪日外国人観光客が押し寄せている。関西空港から入国した訪日客の多くが南海電鉄の空港特急・急行でミナミを目指しているためだ。

 しかし、ミナミを経由してキタへ向かうJR西日本と、南海電鉄の鉄道新線・なにわ筋線が2031年の開業に向けて工事を続けている。なにわ筋線経由で関西空港へ向かう列車も運行するとみられ、ミナミの経済界には、ミナミが通過点になるとの危機感から、地域の魅力を高める新施設の整備を求める声が上がっていた。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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