小惑星リュウグウは地球形成までの中間形態を取る はやぶさ2が明らかに JAXA

2020年3月19日 06:21

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小惑星リュウグウの最高温度分布(左)と、1日の温度変化と予測値の比較(右) (c) Okada et al., Nature 2020

小惑星リュウグウの最高温度分布(左)と、1日の温度変化と予測値の比較(右) (c) Okada et al., Nature 2020[写真拡大]

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 地球近傍小惑星群のひとつ「アポロ群」に位置するリュウグウの探査が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の運営するはやぶさ2によって実施された。現在はやぶさ2は地球に向けて帰還中だが、送信されたデータ解析は続けられている。JAXAがはやぶさ2によるリュウグウの調査結果をまとめた論文が、英科学誌Natureに掲載されている。

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■小惑星リュウグウがなぜ研究対象になるのか

 今回明らかにされたのは、小惑星リュウグウはすき間だらけの物質からなる天体であることだ。小惑星は構成される物質によって分類されている。岩石質からなる天体がS型と呼ばれる一方、リュウグウなどの炭素を含む小惑星はC型に分類され、地球に飛来した炭素質コンドライトいん石によく似た特徴をもつ。

 C型小惑星が注目される理由は、生命の構成要素である炭素を含むからに他ならない。地球上に生命が誕生したプロセスは科学者にとって解決されるべき大きな問いだ。

地球自体や海、生命を誕生させた始原的物質は、太陽系が原始惑星系星雲であった46億年前から存在していると考えられている。このような始原的物質を現在もそのまま残す天体リュウグウからサンプルを収集し、分析することがはやぶさ2に与えられたミッションである。

■すき間だらけのリュウグウ

 JAXAをはじめとする国際研究グループは、はやぶさ2に搭載された赤外線カメラを使って、C型小惑星の全球撮像に史上初めて成功した。このデータを解析した結果、リュウグウ表層の岩石も周辺の土壌もほぼ同じ温度であることが判明した。

1日の気温変化が小さいことと合わせると、リュウグウ表面は温まりやすく冷めやすい物質から構成されていることが明らかになった。これはリュウグウがすき間だらけの物質から構成されることを示唆するという。

 地球もまた太陽系初期には塵からなる密度の低い天体だったが、現在のような高密度の岩石天体へと成長している。リュウグウはちょうど中間形態の可能性があることから、地球が現在の姿に成長したプロセスを解明することに、リュウグウなどC型小惑星のさらなる分析が役立つことが期待される。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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