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楽天市場「送料無料」に対する出展者の胸の内
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2月13日、楽天は前12月期決算を発表した。8年ぶりに318億円の「最終損失」となった。「リフト(米配車サービス)の株価下落による特損計上」、そして「携帯電話事業の採算悪化」が主たる要因だった。
【こちらも】楽天が打ち出した「送料無料」、「送料込み」に変更して公取委は納得するのか?
決算内容に関しては各メディアが詳細を伝えているので省く。だが決算説明会の席上で楽天の三木谷浩史CEOは改めて、「ネット通販:楽天市場での買い物代金(3980円以上については)は送料込みにする」という仕組みの導入を強調した。「出展店舗の売り上げは、少なくても10%は伸びる」と、公取委との対峙が問沙汰される中で「強気姿勢」を崩さなかった。
楽天(三木谷氏)の「強気」の背景は、決算説明会でも明らかにされた「10年間で2000億円規模の資金を、自社物流網の整備に充てる」ことにあると考える。
前期末の楽天の有形固定資産は携帯電話事業への進出もあり、18年12月期に比べ4.1倍(3764億円)に膨らんだ。自社物流網の整備を果たすためには、資産効率の低下は何が何でも避けなくてはならない。そのためには「強気姿勢」を貫き、2000億円投資に見合うだけの売り上げを確保しなくてはならない。
また携帯電話事業の失速は許されない。三木谷氏の思惑通りに事が進むかどうかを見極めるには、時間の経過を待たなくてはならない。
そうした状況下で興味深い事実に出会った。楽天は1月28日に「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2019」の表彰式を行った。その様子を伝える「EC専門紙」の編集者に、送料無料施策に対する出展者の反応を聞いた。
表彰式で受賞した延べ173店のうち127店から「賛否」を聞き取り調査した、と聞いたからである。有効回答数123店のうち、「賛成:30.9%」「反対:22.0%」「どちらとも言えない:47.1%」だったという。具体的に、どんな反応が返ってきたのか。
*賛成組:「お客様が買いやすくなる。もともと送料無料の商品が多く、影響はない」。「昨年11月から、送料無料ライン3980円に対する取り組みを行っている。結果1つ買う人が2つ一緒に買うなど、顧客単価が上がった」。「基本的には賛成だが、北海道向けも統一されると困る」。
*反対組:「本音を言うと、やってほしくない。コスト増で全面的な見直しが必要となる」。「個々の店舗の内部事情を知らずに一律で決めてしまうやり方は反対。内政干渉のし過ぎだと思う」。
楽天市場への出展者は5万者(社)を数える。体力に差異がある。「送料込み⇔売値転嫁」の危惧が残る。少なくても、EC事業参入にビジネスチャンスを求める起業家の足をすくってはなるまい。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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