アルマ望遠鏡が連星の最期を撮影 国立天文台

2020年2月14日 08:31

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アルマ望遠鏡が撮影した連星系「HD101584」周辺のガスの広がり (c) ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), Olofsson et al. Acknowledgement: Robert Cumming

アルマ望遠鏡が撮影した連星系「HD101584」周辺のガスの広がり (c) ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), Olofsson et al. Acknowledgement: Robert Cumming[写真拡大]

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 国立天文台は6日、連星系を構成する2つの恒星の最期を、アルマ望遠鏡が撮影したと発表した。

【こちらも】国立天文台、大質量星の最後の姿を解明

 星が生み出す美しいガスの広がりの撮像を公開した。一方の星が年老いて大きく膨らみ、他方の星を膨らんだガスが取り込むことで、年老いた星のガスが大量に宇宙空間へと拡散した様子を示しているという。

■恒星が最期を迎える過程

 水素やヘリウム等のガスから構成される恒星は、時間とともに姿を変化させる。中心部の水素が核融合反応により燃え尽きると、星は膨張を開始し「赤色巨星」と呼ばれる明るい天体へと変化する。

 その後赤色巨星の外層を構成する気体が宇宙空間に流れ込むことで、惑星状星雲を形成し、星の中心部は高温の「白色矮星」へと変化する。

 太陽のように単体で存在する恒星は例外的だ。われわれの住む天の川銀河に存在する半数以上の恒星は、重力で結合した「連星系」を形成すると考えられている。連星系は年齢を重ねると、主星が赤色巨星へと変化し質量の小さい伴星を取り込むため、最期の姿は普通の恒星とは異なるという。

■いずれ消滅する伴星

 スウェーデン・チャルマース工科大学の研究者からなるグループは、連星系「HD101584」を観測した。南米チリのアタカマ砂漠で国立天文台が運用する電波望遠鏡「アルマ望遠鏡」と、隣り合う欧州電波望遠鏡APEXによる観測が組み合わされたという。

 研究グループの観測結果は、特殊な連星系の最期を写し出している。質量の大きな主星が質量の小さな伴星を取り込むほど膨張し、伴星はらせん軌道を描いて主星の中心部へといずれ落下すると予測される。

 目下のところ伴星は主星へと衝突していないが、伴星の運動により周囲の気体が宇宙空間へと短時間で放出され、星の芯が見える状態になっているという。このため単体の赤色巨星が白色矮星へと変化する場合よりも、ずっと早く星の最期へと到達したとみられている。

 HD101584の姿は、太陽のような恒星の最期を理解するうえで重要な情報を与える。恒星が最期を迎えるまでの過程やその機構は詳しく理解されていないが、巨星と惑星状星雲のちょうど中間に位置づけられるHD101584の構造を詳しく写し出すことで、巨星と惑星状星雲のあいだをつなぐことが可能になるという。

 研究の詳細は、欧州天文学誌Astronomy and Astrophysicsに掲載された。(記事:角野未智・記事一覧を見る

関連キーワード電波望遠鏡国立天文台アルマ望遠鏡スウェーデン

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