廃プラ「悪玉論」に、あえて一言

2020年1月15日 07:58

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アキュラホームが横浜市等と開発した木製ストロー。(画像: アキュラホームの発表資料より)

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 10月31日の環境・エコ欄に<インドネシアは「プラゴミ」対策の先進国!?>と題する原稿を投稿した。「廃棄されたプラゴミが河から海に流れ込み、海洋生物の生態系を崩しかねない大きな問題となっている。日本も対策を急ぐべし」という内容の記事だった。と同時に私は、「日本のメディアは、廃プラ問題をプラスチックストローに象徴的に報じている感が強い」と、実感を記した。

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 その後も廃プラ問題に関して「ストロー絡み」の報、そして更にはいささか腑に落ちない報にも接した。

 前者は「横浜市が木製ストローを開発した」という報道。横浜市が東京の住宅メーカー(アキュラホーム)と共同開発した木製ストローは、市が有する山梨県・道志村の「道志水源林」からとれる間伐材が原材料。

 これまで公共施設の整備などに活用してきたが、11月1日からは市内の飲食店やホテル向け中心のストローとして販売を開始した。「横浜ベイシェラトンホテル」や千葉県の成田空港での導入が予定されているという。

 1本当たりの価格はプラスチックストローの約100倍の50円。「海洋廃プラ被害対応策」としては評価に値する。だが時折飛び込むカフェなどでストロー付きの飲料を注文すると、プラスチックストロー以外にお目にかかったことがない。紙ストローの普及は飲料そのものの値上げにつながる懸念も有しているのではないか!?

 目的とする趣旨は同様だろうが、神奈川県鎌倉市(10月から)や大阪府豊中市が11月から始めた施策:後者には一抹の「疑問」を覚えた。市役所内の自販機から「ペットボトル飲料」を外してしまった(産経新聞:12月3日配信)というのだ。

 「なぜ疑問を覚えた」のかと言えば、PETボトルリサイクル推進協会の「2008年以降日本のペットボトルのリサイクル率は85%水準で推移している。米国の20%台や欧州の30-40%台に比べ日本は世界の最高水準にある。目下、30年をめどにリサイクルのほか焼却熱の利用で100%有効利用する計画を進めている。プラスチック製品の中でペットボトルはリサイクルのトップランナー。自販機で販売を辞める動きに違和感を覚える」に頷かされたからである。

 また全国清涼飲料連合会の「ペットボトル飲料の生産量は飲料水全体の約75%を占める。自販機からのペットボトル外しは顧客の選択肢を狭めることになり、残念」とするコメントに同調したからでもある。ペットボトル自体が「悪」なのではない。リサイクル体制の充実を図ることこそ大事なのではないか!

 プラスチック自体には、色々の利点がある。「軽い」「成型しやすい」ことから車や家電に多く使用されている。

 繰り返しになるが、プラスチック自体が悪なのでは決してない。10月31日の投稿記事にも記したが、ISWA(国際廃棄物協会)では「海洋プラゴミ汚染の75%は中国などの不法投棄による」としている。国際的な会議の場で、ISWAの視点に関して議論の場を設けることはできないのだろうか。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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