小田急、顧客提供価値の向上により成長を目指す

2019年12月31日 08:08

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「ONSEN RYOKAN 由縁 札幌」の外観イメージ。(画像: 小田急電鉄の発表資料より)

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 小田急電鉄は23日、小田急グループのUDSが、宿泊施設「ONSEN RYOKAN 由縁 札幌」を2020年7月に開業すると発表した。

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 北海道の雄大な自然を背景に、182の客室と登別温泉の湯を運んだ大浴場を備え、おもてなしが感じられる現代の旅館を目指している。

 UDSでは、旅館の本質的な要素と宿泊者ニーズを環境に合わせて提供する「ONSEN RYOKAN 由縁」を日本の各都市で提供することを目指しており、札幌への展開が地方での第1号案件となる。

 小田急は、1923年に小田原急行電鉄として創立され、1927年に小田原線(新宿~小田原間)、1929年に江ノ島線(大野~片瀬江ノ島間)を開業した。その後太平洋戦争の長期化に伴い、国策による合併・統合を繰り返し、戦後1948年に東京急行電鉄から分離独立し、再び小田急電鉄となった。

 1950年には箱根登山線への乗り入れを実現、1960年には箱根周遊ルート「箱根ゴールデンコース」を開通し、観光輸送の基盤を確立した。

 2019年3月期の営業収益は5,267億円。事業別の構成比は、鉄道、バスなどの運輸業が34.0%、百貨店、ストア・小売業などの流通業が40.0%、不動産の分譲、賃貸を行う不動産業が13.1%、ホテル、レストランなどその他事業と全社調整で12.9%を占める小田急の動きを見ていこう。

■前期(2019年3月期)実績と今期見通し

 前期営業収益は5,267億円(前年比0.4%増)、営業利益は前年よりも6億円増の521億円(同1.2%増)であった。

 営業利益増加の主な要因としては、一部複々線化工事の実施と通勤電車の10両編成化により運輸事業で11億円、リノベーション物件の分譲増と前期に開業した賃貸物件の通期寄与により不動産業で12億円の増益。一方、百貨店のリニューアル工事に伴う売り場閉鎖と駅構内売店、コンビニのセブンイレブン店舗への転換に伴う工事閉鎖により流通業で17億円の減益によるもの。

 今上半期(4-9月)の営業収益は2,618億円(同1.7%増)、運輸業の減価償却費増と不動産業で新規賃貸物件の取得費用増加などにより、営業利益は257億円(同12.9%減)と前年よりも減益となった結果を受けて、今期は営業収益5,478億円(同4.0%増)、営業利益500億円(同4.0%減)を見込んでいる。

■中期経営計画(2019年3月期~2021年3月期)による推進戦略

 沿線における複々線完成後のグループ収益を最大化し、今後の成長の種を育成、2021年3月期の営業収益5,832億円(対前期比10.7%増)、営業利益567億円(同8.9%増)を目指して、次の4つの価値提供分野を中心とする成長戦略を推進する。

 1.モビリティ × 安心、安全
 ・複々線化、ホームドア整備により、鉄道利用の増加と安全性向上。
 ・次世代モビリティを活用したネットワークの構築を目指し、自動運転バス、MaaSの開発推進。

 2.まちづくり × 愛着
 ・新宿西口、下北沢エリアなど核となる駅の重点開発。
 ・不動産業の量的拡大と組織能力の向上。

 3.くらし × 楽しさ
 ・未来型商業への変革を目指し、小田急百貨店のリニューアル、セブン&アイホールディングとの業務提携、Eコマース推進。

 4.観光 × 経験
 ・地域の魅力を引き出すホテルを各地に15店オープン。
 ・箱根エリアの復旧、交通ネットワークの整備。

 顧客に満足してもらえる価値ある時間や空間を創造・提供することで、ゆたかなくらしの実現を目指す小田急グループの動きを見守りたい。(記事:市浩只義・記事一覧を見る

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