小型・安全という次世代原子炉、2026年にも米国で試験運用開始

2019年12月19日 18:04

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記事提供元:スラド

 Anonymous Coward曰く、

 オレゴン州立大学発のスタートアップ企業NuScale Powerが、小型でかつ安全という小型原子炉を開発したという(WIREDSlashdot)。

 この原子炉は小型の反応炉を複数組み合わせる構造で、工場で組み立てることができ、遠隔地に輸送することも簡単だという。大型炉では採用できない冷却および安全機構を利用できるため、多くの緊急事態への対処も容易とされる。そのため巨大な冷却塔や広大な緊急区域が不要で、さらに既存の原子炉と比較すると使用する核燃料が非常に少ないそうだ。

 NuScaleは原子力発電ではもっとも一般的な軽水炉を使用している。原子炉部分のサイズは高さ65フィート(約20m)、直径9フィート(約2.7m)ほどで、スクールバス2台分ほどの大きさしかない。出力は60MWと、現在米国で稼働している最小の原子炉の約10分の1ほどの出力だが、従来型の原子炉の設置スペースに100個を設置できる。NuScaleのJose Reyes氏は、小規模化には、安全性などの面でもメリットが大きいとしている。

 いくつかの環境保護団体は、原子力エネルギーの是非に関しては自己矛盾と崩壊を引き起こしているが、一方で多くのエネルギー専門家や政策立案者は、原子力は脱炭素社会の実現に不可欠になると考えている。さらに米国では、原子力発電が全クリーン電力の約3分の2を占めている。しかし、既存の原子炉は設計寿命の終わりに近づいている。そのうえ、建設中の新しい原子炉は2つだけだ。この2つも予算超過と建築予定の遅れに悩まされている。

 同社の原子炉も、実現には政治的な問題をクリアしなければならない。原子力規制委員会は2016年からずっとNuScaleの設計を検討し続けており、少なく見積もっても検討が終わるまでにあと1年は必要とみられている。ただ、同社はアイダホ国立研究所に原子炉プラントを12個建設する許可を得ているとのことで、うまくいけば2026年に米西部のコミュニティに電力を供給し始める可能性があるという。

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※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

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