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米天文学会、ボイジャーやパイオニアの将来の恒星接近を予測
土星の近くを通るパイオニア11号のイメージ図。(c) NASA Ames[写真拡大]
パイオニア10号は、1972年に打ち上げられ、木星探査に人類史上初めて成功した。またパイオニア11号は、1973年に打ち上げられ、木星探査に加えて、史上初めて土星に接近し探査に成功した。
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ボイジャー1号、2号は1977年に打ち上げられ、木星、土星、天王星、海王星の探査に成功を収めている。驚くべきことはこれらすべての偉業が今から40年以上も前の技術を用いて成し遂げられていることで、これら4機の惑星間探査機は現在も宇宙空間を航行しており、太陽系の外の宇宙にいるはずである。
今回は12月10日に公開されたアメリカ天文学会の論文で取り上げられたこれら4機の惑星間探査機が、今後太陽系外のどの恒星にいつ頃接近して、その引力でどのくらいの速度で移動するのかについて試算した結果を紹介する。
パイオニア10号は、1995年11月を最後にその信号が途絶え、11号も2003年1月に信号が途絶えたため、これらを直接観測することは不可能になっている。また、ボイジャーは1号、2号は現在も稼働中で、1号は2012年に、2号は2018年に太陽系の外に出たことが直接確認された。ボイジャー1号、2号はともに2025年ごろまでには、原子力電池の出力低下によって稼働が停止すると予測されている。
今回公表された情報によれば、太陽に最も近い恒星であるプロキシマケンタウリに、一番接近する時期は、ボイジャー1号では今から1万6,700年後に、3.5光年の距離に接近し、プロキシマケンタウリの引力によって、最大秒速43.2kmまで加速される。
ボイジャー2号は2万300年後に2.9光年まで接近し、最大秒速46.3kmに加速される。パイオニア10号は、3万4,100年後に3.3光年まで接近し、最大秒速23.4kmに加速され、パイオニア11号は、1万8,300年後に3.4光年まで接近、最大秒速41.8kmに加速されると予測している。
ここで紹介した計算結果はほんの一部で、公表データでは最大340万年後に接近する恒星も予測結果が示されている。だが今日紹介した予測結果も含めて、4機の惑星間探査機が太陽系外の恒星に接近するころには、地球との交信が完全に途絶えているため、もし仮に何万年後から数百万年後に人類が存続していたとしても、接近状況を直接確認することはかなわない。
ただし、可能性がゼロというわけでもない。人類がずっと存続し続け、科学やテクノロジーが順調に進歩をとげれば、人間を搭乗させ光速で移動できる宇宙船が開発できるかもしれない。そうなれば、4機の惑星間探査機探しの旅に人類が船出することになるかもしれない。
また、量子もつれを利用した何光年離れていようとも瞬時に交信可能な技術が開発されれば、4機の探査機を捉えた瞬間の映像をリアルタイムで地球で眺められる日が来るかもしれない。残念なことに私たちが、生きている間にそのような画期的なテクノロジーが開発される可能性は極めて低いのだが。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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