日産・リーフは売る気あり、マツダ・MX-30とホンダ・eは売る気なし その裏側は?

2019年12月9日 11:44

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マツダ・MX-30(画像: マツダの発表資料より)

マツダ・MX-30(画像: マツダの発表資料より)[写真拡大]

 「マツダ・MX-30とホンダ・eは売る気なし」との声が一部で報道されているが、いかなることだろうか?現在のEVで最も注意すべき性能は、「充電」であることは確かであろう。航続距離が400kmを超えないと、充電時間が長いEVでは実用にならないのである。現在のリチウムイオン電池であると、400kmの1充電最大航続距離を得るには、車重が重くなりすぎて、実用性ぎりぎりと言ったところだ。

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 日産・リーフの航続距離は、40kwhバッテリーで、(WLTCモードで)322km、80%急速充電時間40分となっている。62kwhバッテリーでは458km・60分となり、1充電走行距離はガソリン車と対抗できるバッテリー性能である。

しかし、急速充電時間60分はとても実用にならない。また、40kwhバッテリー車であると車重は1520kgで、これはエンジン車に比べて100kg程度の差であるが、1充電最大航続距離で競合できる62kwhバッテリー車になると、車重1680kgで200kg~300kgの差となり、かなり重いと言わざるを得ない。

これであると走行性能ではハンドリングなどにかなりの差があると思われる。馬力で150psから218psにモーター出力が改善されているため、加速性能など全般の力強さではむしろ向上しているものと見られる。

 日産・リーフの価格は330万円~450万円程度であるため、同じ航続距離のエンジン車とは比較にならない差がある。特にこの価格帯であれば、1給油で最大航続距離600kmという車もあり、現在のところ実用になる市場は存在しないと見るのが妥当であろう。

 しかし、こうした中でEV開発に名乗りを上げるメーカーが続出しているのはなぜであろう。「BEV車が最もエコ」との思い込みが激しいユーザー、あるいは環境保護団体が存在することだ。特に欧州各国ではそれが如実で、圧力団体として成立している。

一方では、むしろ単純に走行中の排出量のみでエコかどうかを考えてはいけないことが分かっている。しかし、EVがエコであると信じてしまった層が出来ているのも現実で、対処せざるを得ないのであろう。

 マツダ、ホンダは欧州排出量規制に対応するためBEVの生産を表明しているが、本音では「売れてくれるな」といったところであろう。まだまだバッテリーのコストが高く、「造れば造るほど赤字車両」であることは確かで、まだ商売としては成立していないと見るべきであろう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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