昆虫の腸内共生の特異なメカニズムを解明 産総研など

2019年10月24日 08:48

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昆虫腸内における細菌間競合の模式図(画像: 産業技術総合研究所の発表資料より)

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 「腸内共生」は人間を含めほとんどの動物にみられる現象であり、食物の分解や免疫系の恒常性維持などで重要な役割を果たしている。しかし、それがどのように形成されて維持されているかなどのメカニズムは、未だ不明な点が多いとされてきた。

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 産業技術総合研究所(産総研)と北海道大学などの共同研究グループは22日、よりシンプルな構成を持つ、昆虫の腸内形成におけるメカニズムの解明に成功したと発表した。研究成果は同日付の米国科学アカデミー紀要のオンライン版に掲載されている。

 今回、共同研究グループは「ホソヘリカメムシ」と呼ばれる昆虫に着目して研究を行った。ホソヘリカメムシは、わずか1種類の共生細菌からなるシンプルな腸内共生を有するのが特徴である。その共生細菌はSBEバークホルデリアと呼ばれるもので、ホソヘリカメムシの生息するダイズ畑などの土壌に存在する。

 研究グループは、人為的に他の様々な細菌を与えた時の影響を調査した。その結果、SBEバークホルデリア以外に細菌を与えた直後は、それらの細菌も共生していることが確認された。本来ホソヘリカメムシの腸内に存在し得ない細菌であっても、共生は可能であることがこの事実から示唆される。

 しかし数日間たつと、腸内の細菌はSBEバークホルデリアのみになっていることが経時的観察の結果から明らかとなった。このことは、ホソヘリカメムシの腸内で細菌同士の競合が生じていることを意味する。

 つまり、SBEバークホルデリアが他の細菌に対して優勢となるため、最終的には競合の結果排除してしまうのである。ホソヘリカメムシの腸内共生がシンプルであるのは、細菌同士での作用が原因であるということが今回の研究で明らかとなった。

 今後は、SBEバークホルデリアがなぜ高い腸内競合力を持つのかを、遺伝子や分子機構の観点から研究が進められる。このことによって腸内の細菌間での競合メカニズムが解明されると期待される。さらに、共生細菌の防除法の開発や、害虫防除などの分野への応用も活用される可能性を秘めている。

関連キーワード産業技術総合研究所(産総研)遺伝子免疫細菌北海道大学

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