セブンイレブンFC店への優遇策が意味するもの! (2) 24時間営業へつなぎとめる「まき餌」なのか?

2019年10月18日 17:50

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 セブン&アイHDがFC店への優遇策を発表した10月は、都道府県別の最低賃金が順次引き上げされ、全国の加重平均で874円から901円へと27円の引き上げとなった月でもある。19年度の経済財政運営基本方針は、「より早期に全国平均で1000円を目指す」と高らかに宣言している。現在のペースで進行すると3~4年程度で最低賃金1,000円時代が到来する筈だ。

【前回は】セブンイレブンFC店への優遇策が意味するもの!(1) 3分の1は低収益だった

 パート1名分の時間給が27円引き上げされると、年間では約24万円の人件費増を意味する。経済財政運営基本方針が目指す最低賃金の引き上げが続くと、毎年同額程度の人件費増は覚悟しなければならない。

 常時4名のパートで回している店舗を仮定すると、最低賃金の上昇分だけで年間の人件費が自動的に約95万円増加する。人手不足の時代に最低賃金で雇用できることは考えにくいため、実質負担はもっと増加するだろう。

 今回のFC店への負担軽減策によって、この店が年間240万円の恩恵を受けたとしても、2年半後には元の木阿弥になってしまう。今回の負担軽減策も17年に行われたロイヤリティの引き下げ同様、僅か2~3年で恩恵が消滅する。

 24時間営業問題で、腰砕けを余儀なくされたセブン本部は、現在およそ50店舗で実証実験を行っている。当初はこの期間を6カ月程度としていたことから、近いうちに実証実験の結果についてFC店にアナウンスが行われるだろう。その結果下されるFC店オーナーの判断が注目されるが、セブン本部が4月初旬に公表したところによると「時短営業を希望するFC店は96店」だった。

 競合するファミマでも、640店が参加する24時間営業の実証実験が今月から始まる予定だ。6月にFC店向けに実施したアンケートでは、全店約1万6500店のうち約7000店が「時短営業を検討したい」と答えていたそうだ。

 「時短営業を希望する」と、「検討したい」とではニュアンスが異なり対等に扱うことは適切でないと理解していても、セブンで”時短営業を希望する”割合が0.5%で、ファミマで”時短営業を検討したい”とする割合が42.4%という、約100倍もの開きに違和感を抱かざるを得ない。

 こうした背景を考えると、今回のFC店への優遇策はより多くのFC店を24時間営業につなぎとめるための、「まき餌」の様なものだと考えるオーナーが出てきても不思議ではない。問題は「まき餌」だけに、効果が長続きしないところにある。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

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