トヨタ・カローラ1年遅れの新型? 骨の髄まで「高資金効率」 セダンとツーリング追加

2019年9月20日 13:47

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カローラ スポーツ HYBRID G“Z”(2WD)、カローラ ツーリング HYBRID W×B(2WD)、カローラ HYBRID W×B(左から、いずれもオプション装着車)(画像: トヨタ自動車の発表資料より)

カローラ スポーツ HYBRID G“Z”(2WD)、カローラ ツーリング HYBRID W×B(2WD)、カローラ HYBRID W×B(左から、いずれもオプション装着車)(画像: トヨタ自動車の発表資料より)[写真拡大]

 トヨタ・カローラハッチバック、つまりカローラスポーツが2018年6月に発売されたが、今回、マイナーチェンジをしてセダンとツーリング(ワゴン)を追加し、発売となった。何と言うことだろうか。主力車種カローラの国内発売が遅れているのだ。日本市場がこれほど縮小していることであろう。

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 しかし、寸法はさすがに国内向けに変えてきている。ボディーサイズ(カッコ内は海外仕様車との差)は、セダン全長4495(-135)mm×全幅1745(-35)mm×全高1435(±0)mm、ワゴン全長4495(-155)mm×全幅1745(-45)mm×全高1460(±0)mmとなっている。ホイールベースは2640mm(-60mm)とかなり縮小してきている。

 それでも「カローラアクシオ/カローラフィールダー」と比べれば(セダン/ワゴン)、全長は95mm/85mm長く、全幅は50mm/50mm幅広く、全高は25mm/50mm低く、ホイールベースは40mm長い。主に全長が違っているが、こうした変更は外板部品で作っているようで、すなわちプレス型が違うということになる。

 もし国内の東北生産拠点での生産であると、海外生産拠点とはプレス型が共用でないため、スイング生産は出来ないということであろう。日本国内販売がハッチバックに限られていたことと関連がありそうだ。

 トヨタ・新型カローラのエンジンは3種類ある。NA(自然吸気)1.8リッター直4エンジン(最高出力140PS、最大トルク170N・m)+CVTの組み合わせ。1.2リッター直4直噴ターボエンジン(最高出力116PS、最大トルク185N・m)+6段MTの組み合わせ。NA1.8リッターガソリンエンジン(最高出力98PS、最大トルク142N・m)にモーター(最高出力72PS、同163N・m)を組み合わせたハイブリッド+CVTをラインナップの3種類だ。

 トヨタのエンジン仕様は、数値ではどうも納得がいかない組み合わせが多い。今回もハイブリッドのモーターによる4WDが一番高出力のようで、6段MTには高回転ターボエンジンを組み合わせたようだが、スポーツエンジンというには絶対的に馬力が少ないであろう。どうやら燃費を基軸に決められているのが真実のようだ。結果的に、FFに後輪モーター駆動を合わせた4WDが、一番力強いのであろう。

 先行発売されていたカローラスポーツ(ハッチバック)仕様のサスペンションダンパーは、小さなストロークの場合は柔らかく振動を吸収して乗り心地を良くし、大きなストロークを必要とする場面では「良く踏ん張る足」と言える。注目すべきなのは、それを実現するのに「ダブルダンパー」などの構造を採用せず、よりコストパフォーマンスが良い、軽く出来るオイル特性で実現しているところがトヨタらしい技術だ。

 つまり、ルノーなどが採用しているダブルダンパー構造のように複雑であると、工程数が増えてとコスト高となるが、トヨタ・カローラでは、同じような性能を得るのに工程数を減らしているため、「資金効率」が高くなるとみられる。トヨタの自動車設計のポリシーが明確で、自動車製造のビジネスモデルを構築していく中、骨の髄まで「高資金効率」を考えていると言える。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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