ブラックホールの撮影に成功したEHT、基礎物理学ブレークスルー賞を受賞

2019年9月11日 09:05

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EHTが撮影した銀河M87中心の巨大ブラックホール (c) EHT Collaboration

EHTが撮影した銀河M87中心の巨大ブラックホール (c) EHT Collaboration[写真拡大]

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 国立天文台は9月6日、同天文台の研究者も所属するEHTチームに、2020年の基礎物理学ブレークスルー賞授与が決定したと発表した。

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 EHTとはEvent Horizon Telescope(イベント・ホライズン・テレスコープ)の略。世界の複数の電波望遠鏡をネットワークで連携させ、仮想上の巨大電波望遠鏡を構築、非常に感度の高い電波観測を実現すべく結成された、世界各地の天文台のネットワークを指す。国立天文台からは、EHT Japan代表で水沢VLBI観測所長の本間希樹教授ら11名が参加している。

 EHTは、2019年4月10日に人類史上初めてブラックホールの直接撮影に成功したことが評価され、今回の受賞に至っているが、その概要を少しだけ紹介しておく。

 今回撮影に成功したのは、おとめ座の楕円銀河M87の中心部にある超巨大ブラックホールである。私たちが属する銀河系も含めて、銀河の中心には巨大なブラックホールが存在していると考えられているが、今回の撮影成功は銀河系の中心構造の解明に大きく貢献することだろう。

 一方、基礎物理学ブレークスルー賞についてあまり聞きなれないので簡単に紹介しておく。この賞は、コーネリアI.バーグマン、アン・ウォイッキ、マーク・ザッカーバーグ、ユリ・ミルナーが設立メンバーとなっている、ブレークスルー財団が毎年授与している。ライフサイエンス、基礎物理学、数学の分野で画期的な業績を残した研究者たちを対象とし、1件当たり300万ドルの賞金が与えられる。

 賞金金額は、ノーベル賞と比べると倍以上であり、章そのものの歴史は浅く日本ではあまり知られていないが、価値ある賞として世界では捉えられている。日本では2013年に山中伸哉氏がライフサイエンス賞を、2016年に鈴木厚人氏の研究チームが基礎物理学賞を、同じく梶田隆章氏、鈴木洋一郎氏らのカミオカンデチームも基礎物理学賞を、それぞれ受賞している。

 またこのブレークスルー賞には、科学の発展に貢献する業績を残した若い研究者たちに授与されるニューホライズン賞も併設されており、1件当たり10万ドルの賞金が与えられる。日本人では、物理学の分野で2015年に笠真生氏、高柳匡氏、2016年に立川裕二氏がそれぞれ受賞している。

 我々は毎年ノーベル賞のニュースに注目し、一喜一憂しているが、これからはブレークスルー賞やニューホライズン賞の発表も毎年楽しみにしてはどうだろうか。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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