NECなどが開発のAI間自動交渉プラットフォーム、検証環境としてIIJが承認

2019年8月23日 08:25

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AI間自動交渉プラットフォームの仕組み(画像: 発表資料より)

AI間自動交渉プラットフォームの仕組み(画像: 発表資料より)[写真拡大]

 NECなどは21日、業界標準団体の「インダストリアル・インターネット・コンソーシアム(以下、IIC)」に共同で提案していた「AI間自動交渉プラットフォーム」が、有用性を検証するための標準検証環境(テストベッド)として承認されたと発表した。

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 このプラットフォームは、製造や物流における取引条件や資源の割り当てなど、受発注業務において、AI同士が自動的に利害調整するためのテストベッドとなる。NECがリーダーとして提案し、独フラウンホーファー、カブク、韓国KETI(Korea Electronics Technology Institute)、沖電気工業、豊田通商、産業技術総合研究所が提案に参加している。今後は、AI同士が自動的に交渉を行うプラットフォームの国際標準化とするための活動を行い、製造や物流以外の業界にも展開する。

 「AI間自動交渉プラットフォーム」をIICに提案した背景には、人手不足の中、AIを活用して競争力と社会的価値を向上させる動きが活発になっていることがある。将来はAI同士が自動で協調し、連携することで、人手不足などの問題の解決が期待される。

 また、AI間の自動交渉は、AIのネットワーク化としても位置付けられている。例えば、バリューチェーン上の企業間取引においても、人間が時間をかけて行う複雑な利害調整を、AI同士が連携することで効率的に済ませることができる。

 AI間自動交渉プラットフォームでは、製造過程の各工程や物流における各会社間の受発注業務の調整を、自動的に行えるかどうかを検証する。プラットフォーム上には発注企業、受注企業それぞれに交渉を行うAIを保有し、AIを通じて両社が合意できる取引条件を調整する。合意できる取引条件をAIが見つけた後、契約するかどうかの判断を人間に確認する。

 今回承認されたAI間自動交渉プラットフォームにより、発注者及び受注者の両者にとって有益な取引条件を効率的に発見し、バリューチェーンの柔軟化や効率化の実現が期待できる。(記事:まなたけ・記事一覧を見る

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