簡易な雄雌産み分け技術を開発、大型哺乳類にも応用可能 広大の研究

2019年8月14日 21:07

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TLR7とTLR8がX精子に及ぼす影響。(画像:広島大学発表資料より)

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 広島大学の研究グループが、簡便かつ安価な手段による雌雄の産み分け技術を開発した。マウス、ウシ、ブタにおいて既に実験が成功しており、「理論的には」人間にも応用可能であると考えられる、という。

【こちらも】動かないオスが繁殖能力が高い 従来予想を覆す結果 岡山大

 研究に携わったのは、広島大学大学院統合生命科学研究科の島田昌之教授、梅原崇助教および辻田菜摘研究員の研究グループ。ざっくりと概略を言えば、X精子(つまりメスになる精子)とY精子(オスになる精子)の違いを発見し、化学的手段によってそれを分離することができるようになった、というのが本研究の骨子である。

 基礎的なことから説明しておこう。性別決定の基本原理は、XとY二種類の性染色体によってなる。オスはXY、メスはXX。卵子はXXであり、精子はXのものとYのものが存在している。

 従来の知見では、X精子とY精子は機能差をほとんど持たず、区別することは不可能であると考えられてきた。実際、多くの哺乳類において、出生雌雄比は5:5である。

 今回の研究で明らかになったのは、まずはマウスの精子に、492個のX染色体由来遺伝子が残存しているという事実である。その中からさらに絞り込み、Tlr7とTlr8という二つの受容体を選び出した。

 これらの遺伝子は、精子が完成した後でも、Tlr7が精子の尾部に、Tlr8が中片部にタンパク質として存在している。これらはRNAウィルスを認識する受容体であり、この両受容体を刺激する薬剤で精子を処理すると、X精子のみが運動を停止し、Y染色体から分かたれるという研究結果が得られた。以上、X精子とY精子は機能差を持たないという常識が覆ったのである。

 さて、今回の研究は多くの哺乳類に応用できることが期待されるのだが、問題はヒトについての取り扱いである。研究グループは、ヒトに付いてもおそらく技術的には可能であるが、その倫理的取扱いは慎重に議論されなければならない、としている。

 研究の詳細は、PLOS Biologyに掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

関連キーワード広島大学染色体遺伝子

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