キウイの性別を決定する遺伝子と進化過程を解明 京大など

2019年8月11日 08:21

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Friendly Boy遺伝子導入により作出された両性花キウイフルーツ(写真:京都大学の発表資料より)

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 生物の多様性を維持するために進化した重要な仕組みのひとつである「性別」。植物における性別を決める仕組みは長年謎だった。京都大学、岡山大学、香川大学などから構成される国際研究グループは、キウイフルーツの性別を決定する遺伝子とその成立過程を明らかにした。

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■長年謎だった植物の性別決定メカニズム

 植物の性別は、動物とは大きく異なる概念である。性を表現する最小単位である花において、オスとメスを示すものは、全植物の約5%にすぎない。このオスとメスに加えて両生という性別が存在する。この両性が性表現の起源だとされている。

 動物では、性別を決定する遺伝子とその仕組みが解明され、進化の過程が明らかにされてきた。一方植物でも100年以上研究されてきたにもかかわらず、性別を決定する遺伝子が発見されたのは最近である。植物ごとに性別を決める仕組みは異なると考えられるものの、そのメカニズムは不明だった。

 研究グループは、キウイの性別決定においてオスの機能を制御する遺伝子「Friendly Boy」を発見した。すでに発見されているメスの機能を制御する遺伝子「Shy Girl」とともに、キウイの性別決定に関わる遺伝子の成立過程が明らかになった。

 Friendly Boyは本来、雄しべと雌しべを両方もつ花「両全花」を着生する植物が共通して保持する遺伝子である。キウイ等のマタタビ属においてのみFriendly Boyが壊れ、メスになることが今回明らかになった。一方、Shy Girlはマタタビ属の進化の過程でゲノムが倍に増えた際に生じた特異な遺伝子であることが、同研究グループによるDNA情報解析よってすでに判明している。

■従来の二因子理論を実証する発見

 今回の発見は、1978年に提唱された植物の性別獲得における二因子理論を裏づけているという。英進化学者により提唱された理論は、雄しべを維持する因子の変異が起こってメスが誕生し、その因子と隣り合う形でめしべを抑制する因子が新たに生じることで、オスが誕生するという。

 今回、Friendly Boy遺伝子の機能を明らかにするために、本来はメスであったキウイにFriendly Boyを導入したところ、両性花をつける個体が誕生した。これはFriendly Boyがオス化に関わる遺伝子であることを示唆する。

■新しい品種を作る技術開発への応用が期待

 キウイを含めていくつかの植物種は人間の生存にとっても重要であり、新しい品種を作る上でも重要な特徴だという。今回の研究成果によりキウイの性表現を人為的に制御する技術の開発へと発展し、品種改良等の問題解決に貢献するだろうと、研究グループは期待を寄せている。

 研究の成果は、英科学誌Nature Plantsオンライン版にて6日に掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

関連キーワード京都大学ゲノム遺伝子DNA岡山大学

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