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東大、水で推進する超小型衛星用エンジンを開発 運用の長期化などに貢献
水推進エンジンを搭載した実証衛星(画像: 東京大学の発表資料より)[写真拡大]
東京大学の小泉宏之准教授・浅川純特任助教らは6月13日、推進剤に水を使った超小型衛星用エンジンと、その実証衛星の開発に成功したことを発表した。同衛星は2019年度中をめどに大型ロケット「H2B」で、国際宇宙ステーション(ISS)に向けて打ち上げられる。衛星はISS日本実験棟「きぼう」から宇宙空間に放出された後、エンジンの宇宙実証実験を行う予定だ。
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■超小型衛星
超小型衛星とは、重量が1~100キログラムの衛星のこと。「超」が付かない小型衛星は500キログラム程度、大型衛星となると数トンになる。
超小型衛星の特徴は、コストが安いことと、実際の稼働までの期間が短いことだ。価格が高い大型衛星は政府や大企業しか発注することは出来ないが、超小型衛星は大学や研究機関、自治体、ベンチャー企業などが入手できる程度の価格になっている。
新たなプレイヤーの参入によって、今までにないビジネスが生まれ、衛星の利用方法が広がっている。また早く安く作れることで、多くの衛星を連携させて運用するという手法も行われている。
■水を推進剤としたエンジンの開発
今回研究グループは、推進剤に水を使った超小型衛星用エンジンの開発に成功。そのエンジンを実装したテスト用衛星も制作している。
このエンジンは水蒸気の圧力を利用している。温度にもよるが、液体の水が水蒸気になる際には体積が1700倍にもなる。エンジン内部で爆発的に体積増加した水蒸気は、ノズルから外部に高速で排出されるが、このエンジンが水蒸気を押し出す反作用が推進力となる。エンジンの大きさは、10センチメートル四方と非常にコンパクトなものとなった。
■本研究の意義と将来性
水は常温常圧で液体として保存可能であり、安全無毒で資源として豊富に存在する。水を推進剤として使うことにより、超小型衛星の耐久性を高めることが出来る。超小型衛星は従来、短期で終わる宇宙実験で主に使用されていたが、これにより、通信や放送、地球観測、農林水産業等、多くの分野に利用が広がることが期待される。(記事:創造情報研究所・記事一覧を見る)
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